「EFG%は勝率と最も相関の高いスタッツである」という噂は本当なのか検証する
EFG%という指標がある。
これは3ポイントシュートの効率を考慮したFG%なのだが、ちまたで「EFG%はオフェンス系のスタッツにおいて勝率と最も相関が高い」という噂を耳にした。
果たして本当にそうなのか検証してみたいと思う。
今回は2016年~2019年までの4年間B1でプレーした全72チームのスタッツと勝率の相関を求めていく。
ちなみに前回2016-17シーズンで調べた時に勝率と最も相関の高かった指標は、平均得点(相関係数0.91)であった。
それでは調べていく。
相関係数と散布図
相関係数の見方
さていきなり結果を見ていくのではなく、二つだけ用語の説明をしたいと思う。
まず一つ目の用語が相関係数だ。
これは、2つの変数の直線的な相関関係の強弱を表すものである。相関係数の見方は下の(図1)のようになっている。
相関係数は一般的に、+1 に近ければ近いほど「強い正の相関がある」、−1に近ければ近いほど「強い負の相関がある」、00 に近ければ近いほど「ほとんど相関がない」と評価される。
散布図の見方
二つ目の用語が、散布図だ。
これは2つの要素からなる1組のデータが得られたときに、2つの要素の関係を見るためにプロットしたグラフである。
相関係数が+1に近ければ近いほど、散布図は下の(図2)のように直線的になっていく。
EFG%が勝率と最も相関の高いスタッツなのか
今回は、オフェンシブ・レーティング、ディフェンシブ・レーティング、平均得点、EFG%、FG%、3P%、FT%、1試合平均アシスト数、1試合平均リバウンド数、ブロックショット数(シーズン)、スティール数(シーズン)、ターンオーバー数(シーズン)の合計12個のスタッツの相関係数を調べていく。
結論から先に言うと、勝率と最も相関の高いスタッツはオフェンシブ・レーティングであった。(図3参考)
オフェンシブ・レーティングの相関係数は0.87。オフェンシブ・レーティングと勝率は強い正の相関があると言える。
EFG%は、オフェンシブ・レーティング、平均得点に次いで3番目に勝率と相関のあるスタッツだ。
「EFG%はオフェンス系のスタッツにおいて勝率と最も相関が高い」という噂はBリーグにおいては違っていたようだ。
ただ、EFG%の相関係数も0.75あり、これはFG%や3P%、FT%より高く、勝率と強い正の相関があるスタッツであると言えよう。
逆に勝率と相関のないスタッツには、スティール数とブロックショット数の2つが上がる。
ステール数の相関係数は0.09、ブロックショット数は0.10だ。
これから、スティール数とブロックショット数の2つとも勝率とはほぼ関係がない指標であると判断できる。
オフェンシブ・レーティング
相関係数:0.87 勝率と強い正の相関あり
ディフェンシブ・レーティング
相関係数:-0.70 勝率と強い負の相関あり
EFG%
相関係数:0.75 勝率と強い正の相関あり
今回の主人公。残念ながら最も勝率と相関の高い指標ではなかったが、それでも勝率と強い正の相関があるという結果が表れた。
FG%
相関係数:0.71 勝率と強い正の相関あり
3ポイントシュート成功率
相関係数:0.63 勝率と正の相関あり
フリースロー成功率
相関係数:0.28 弱い正の相関あり
平均得点
相関係数:0.81 勝率と強い正の相関あり
スティール数
相関係数:0.09 勝率とほぼ関係ない
ターンオーバー数
相関係数:-0.35 勝率と弱い負の相関あり
1試合平均リバウンド数
相関係数:0.39 勝率と弱い正の相関あり
ブロックショット数
相関係数:0.10 勝率とほぼ関係ない
1試合平均アシスト数
相関係数:0.32 勝率と弱い正の相関あり
まとめ
・勝率と最も高いスタッツはオフェンシブ・レーティング。
・EFG%は、オフェンシブ・レーティング、平均得点に次いで3番目に勝率との相関が高いスタッツ。
・スティール数とブロックショット数は、勝率とはほぼ関係がない指標である
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