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ホーム開幕戦で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。名古屋の選手層厚く、76-60で敗れる【島根スサノオマジック】
試合レビュー
中国の有名な兵法書である『孫子』には、軍隊を運用するときの原理原則が以下のように記されている。
故に、用兵の法は、十なれば則ち之を囲む。五なれば則ち之を攻む。倍すれば則ち之を分かつ。敵すれば則ち能く之と戦う。少なければ則ち之を逃る。若かざれば則ち能く之を避く。故に、小敵の堅なるは大敵の擒なり。
敵の戦力と比べて、10倍の戦力を自軍が持っているなら包囲し、5倍の戦力なら攻撃し、2倍の戦力なら敵を分断させ、互角なら必死に戦い、少なければ退却する。
敵の戦力にまったく及ばない場合には、そもそも敵との衝突を回避しなければならない。
今回対戦した名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、島根にとって試合を回避しなければならない相手だった。
もちろんBリーグで試合を回避することなど出来ないが、島根と名古屋はそれほど戦力差が離れていた。
名古屋のバックコート陣には、リーグを代表するPGである斎藤拓実選手を筆頭に、日本代表のSGである安藤周人選手、3ポイントシューターである狩野選手、スピード力のあるPGである笹山選手や小林選手らタレント揃いであり、
フロントコート陣も、ジャスティン・バーレル選手とジェフ・エアーズ選手というBリーグでも実績十分な強力なツインタワーを擁している。
対する島根はインサイドの要であるリード・トラビス選手がまだエントリーできておらず、日本人エースの杉浦選手も試合に出場できない状況だった。
この2人が出場できればほんの少しだけ勝機はありそう(それでもキツいが)だが、いない現状勝ち目は0に近かった。
それでも島根は賭けに出た。
名古屋のフロントコート陣を抑えるために、ダブルチームとローテ―ションを敷いたのだ。
ちょうど前節、滋賀が島根に対して行ったのと同じディフェンスである。
これが上手く機能し、試合開始から11-2のランを成功させた。
また島根はハードショーと言って、スクリーナーのディフェンスが積極的にボールマンを抑えに行くディフェンスも頻繁に行った。
しかし、このハードショーは失敗した。
繰り返しになるが、ハードショーはスクリーナーのディフェンスが積極的にボールマンを抑えに行くディフェンスである。
ということは、ボールマンには瞬間的にボールマンのディフェンダ―とスクリーナーのディフェンダー、2人のディフェンダーが付くことになる。
1人の選手に2人の選手がディフェンスをするということは、残りの4人を3人で守らなければならなくなる。
残りの3人のディフェンスは、相手オフェンス4人を守るため間に立ち、ボールが飛んだらクローズアウトをしてシュートチェックに行く守り方になる。
ディフェンスがオフェンス(ボールマン)との距離(間合い)を詰めること
このクローズアウトの状況を最大限に活用したのが名古屋である。
名古屋は、島根のディフェンスがクローズアウトで向かってくる勢いを利用して、ディフェンスの横を何度もドライブで攻略した。
この修正を5分も掛からず行うのだから、流石プロとしか言いようがない。
それでも前半は37-33と善戦したが、後半は選手層の薄さが響き、主力選手が疲労しているところを突き放され、最終的に76-60で敗北した。
明日10/11(日)も13:05から名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦する。
明日の試合の注目は、島根のペリメーターより外からのシュートがどのくらい入るかである。
ペイントエリアより外のエリア
10日(土)の試合では3ポイントシュート2本の成功に留まったが、名古屋のエアーズ選手・バーレル選手ともペリメーターより外にはあまり出て守らないため、アウトサイドシュートには突破口がある。
このアウトサイドシュートをどのくらい決められるかが、勝率を少しでも上げる糸口になるだろう。
Today`s MVP:小林遥太選手

本日のMVPは名古屋ダイヤモンドドルフィンズの小林遥太選手。
オフェンスでは持ち前のスピードを活かしたドライブで島根のディフェンスをかき乱し、ディフェンスでは島根のガード陣に対し、相手のやりたいオフェンスを簡単にやらせなかった。
セカンドユニットに小林選手のようなガードが控えていると、非常に心強いですな。
Photo Garary













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