ヘッドを立てるとは何か?
今回は、野球のヘッドを立てることについてのお話です。
『新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム』で、ヘッドを立てることについて以下のように書かれていました。
この言語をそのまま実践すると、ヘッドがグリップよりも高い位置のままスイングし、インパクトを迎えることになる。しかしながら、インパクトの瞬間におけるバットの角度を観察してみると、よほど高いボールを打たない限り、ヘッドとグリップはそのような位置関係にはならない。基本的にはヘッドはグリップよりも下側に位置しているのだ。
この本はトラッキングデータを用いて、安打が出やすい打球速度は何キロか、その打球速度を出すためにはスイングスピードが何キロいるのかなど興味深い話が多いのですが、このヘッドについては意見が違います。
ということで、私の意見がこちら。
『新時代の野球データ論』で一つだけ納得してないところがあるんだけど、ヘッドを立てるという言葉をインパクト時で検証しているんだけど、インパクト時にヘッドがグリップより下側に位置するなんて当たり前やん。
— ひさもと (@hisamoto_0) April 9, 2020
ヘッドを立てる意識を持つのはトップの時だと思うし、ヘッドを立てるのは、手首をコックしてインパクトの手前でコックを解くことでスイングスピードを上げるためだと思う。
— ひさもと (@hisamoto_0) April 9, 2020
つまり、インパクト時はアンコック状態で、ヘッドが立っていないのは当然だと思う。
だからインパクト時にヘッドが立ってないなんて検証するのはおかしい。
— ひさもと (@hisamoto_0) April 9, 2020
このツイートをもう少し深堀していきます。
コックとは何か
コック(コッキングとも言う)とは、手首の角度の状態のひとつです。
親指を出した状態で、じゃんけんのグーの形を作ります。次に親指を胸の方に向けます。
この時の手首の角度のことをコックと言います。
この手首のコックがアンコック(コックが解けた状態)になる時、バットのヘッドスピードが上がるようになります。
そのため、プロ野球選手はトップの時にコックの状態を作ります。
コックを作ると、バットのヘッド(先端)は自然と立つようになると思います。(図1)
そう、ヘッドを立てるというのは、トップの時の話なのです。
トップの時にコックを作った(ヘッドを立てた)あと、バットはインパクトに向けて振り下ろされていきます。
そして振り下ろされていく間に、トップの時に作ったコックは自然と解けて(アンコックの状態)、ヘッドスピードが上がるようになるのです。(図2)
ですので、インパクト時にヘッドが立っているわけがないんですよね。
繰り返しになりますが、ヘッドを立てるというのはトップの時の話であり、ヘッドを立てる背景には手首のコック(コッキング)があるのです。
おわり。
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