USG%で見るNBA全30球団のエースは誰か【2019-20シーズン】

USG%で見るNBA全30球団のエースは誰か

USG%というバスケットボールの指標をご存じでしょうか。

このUSG%。ざっくり言うとチームのオフェンス面におけるエースは誰なのかを数字で表している指標です。

もう少し詳しく言うと、該当選手がコート上にいる時に、チームがどれだけ該当選手を使ってプレーしたか推定するための指標になっています。

今回はこのUSG%を使って、NBA全30球団の各チームのエースは誰なのか見ていきたいと思います。

イースタン・カンファレンス

ミルウォーキー・バックス

1位:ヤニス・アデトクンボ 36.2%

2位:クリス・ミドルトン 25.9%

3位:エリック・ブレッドソー 23.6%

まずはイースタン・カンファレンス1位のバックスから。1位はUSG%を使わなくても、分かりますね。

そう、NBA最強のプレイヤー、ヤニス・アデトクンボ選手です。USG%は驚異の35%越え。オフェンスでの負担はかなり大きそうです

2位は2シーズン連続でオールスターに選ばれたクリス・ミドルトン選手がランクインしました。


トロント・ラプターズ

1位:パスカル・シアカム 28.2%

2位:サージ・イバカ 23.7%

3位:カイル・ラウリー 22.5%

強豪ラプターズの1位は、昨シーズンのMIPで、今季オールスターのスターターにも選ばれたパスカル・シアカム選手でした。


ボストン・セルティックス

1位:ジェイソン・テイタム 27.9%

2位:ケンバ・ウォーカー 27.3%

3位:ジェレイン・ブラウン 24.5%

ボストン・セルティックスUSG%1位は、ケンバ・ウォーカー選手を抑えて、ジェイソン・テイタム選手がランクインしました。

今シーズンの後半から一皮むけて、チームを代表する選手からNBAを代表する選手に変わりましたね。

3位のジェレイン・ブラウン選手と共にヤングコアが活躍したイメージがあります。


マイアミ・ヒート

1位:ジミー・バトラー 24.8%

2位:ゴーラン・ドラジク 24.7%

3位:ケンドリック・ナン 23.3%

1位は今シーズンから76ersからヒートへ移籍したジミー・バトラー選手がランクイン。若い選手が多い中、ベテランとしてそしてエースとしてチームを牽引した。

とは言え、USG%は25%を切っており、オフェンス面では他の選手とボールを分け合った形になりました


インディアナ・ペイサーズ

1位:ビクター・オラディポ 26.5%

2位:マルコム・ブログドン 24.7%

3位:ドマンタス・サボニス 22.9%

1位はペイサーズのエースであるオラディポ選手がランクイン。

2位は今季からサイン&トレードでバックスからペイサーズへ移籍したブログドン選手がランクインしました。

オールスターにも選ばれたドマンタス・サボニス選手は意外にもUSG%は22.9%と低い数値でした。


フィラデルフィア・76ers

1位:ジョエル・エンビード 31.3%

2位:トバイアス・ハリス 23.4%

3位:ベン・シモンズ 20.5%

エースのジョエル・エンビード選手のUSG%は30%を超えており、チームのオフェンスにおけるエンビード選手の役割の大きさが読み取れます

一方、デュオを組んでいるPGのシモンズ選手のUSG%は20.5%でチーム3位という低い結果に。もう少しシモンズ選手にボールを貰ってもらって、エンビード選手のオフェンスの負担を減らしていきたいところです。


ブルックリン・ネッツ

1位:カイリー・アービング 31.8%

2位:スペンサー・ディンウィディー 28.7%

3位:キャリス・ルバート 27.7%

1位は今季セルティックスからネッツへ移籍したアービング選手。USG%は30%台と高いボール占有率です。

すいかばくん
アービング選手がもう少し味方を活かせるプレーができると幅が広がりそう(素人並感想)

2位のディンウッディー選手は知らなかったんですけど、平均20.6得点と高い得点力を持った選手なんですね。

このUSG%の高さも納得です。


オーランド・マジック

1位:ニコラ・ヴェチェビッチ 25.6%

2位:エバン・フォーニエ 23.8%

3位:テレンス・ロス 21.7%

マジックの1位は、センターのニコラ・ヴェチェビッチ選手。優秀な選手なのは間違いないですけど、エースとしてみると物足りないです。

2位がフォーニエ選手なのも渋いですね。


ワシントン・ウィザーズ

1位:ブラッドリー・ビール 33.8%

2位:ジョーダン・マクレイ 24.2%

3位:アイザイア・トーマス 23.6%

1位はエースのブラッドリー・ビール選手が納得のランクイン。USG%が33.8%はかなりオフェンスの負担が大きそうなので、ジョン・ウォール選手の復帰が待たれますね。


シャーロット・ホーネッツ

1位:ディボンテ・グラハム 24.3%

2位:テリー・ロジアー 23.2%

3位:マリーク・モンク 22.0%

ケンバー・ウォーカー選手が抜けたホーネッツ。今シーズンのUSG%1位は、MIP候補にも挙がっているディボンテ・グラハム選手でした。

チームを勝たせられるエースになれるかどうかはこれからでしょうか。とりあえず、グラハム選手の周りの選手を固めることが優先になりそうです。


シカゴ・ブルズ

1位:ザック・ラビーン 31.2%

2位:コビー・ホワイト 23.5%

3位:ラウリー・マルカネン 20.9%

1位はスラムダンカーでも有名なザック・ラビーン選手。今季は3Pも好調な印象がありました。

2位はルーキーのコビー・ホワイト選手。新人選手が2位にランクインしてしまうことに弱さを感じますね。

3位のマルカネン選手はトレードの噂もあるとか。


ニューヨーク・ニックス

1位 ジュリアス・ランドル 27.1%

2位 マーカス・モリス 23.7%

3位 RJバレット 23.4%

ルーキーのRJバレット選手がチーム3位のUSG%をマーク。新人ながら、ボールを持たせてもらっていたことが分かります。


デトロイト・ピストンズ

1位 デリック・ローズ 30.3%

2位 アンドレ・ドラモンド 25.1%

3位 クリスチャン・ウッド 22.3%

1位は今季からピストンズに加入したデリック・ローズ選手がランクイン。ベンチからの出場が多かったが、ボールフィニッシュという重要な役割を任されていたことが数字から伺えます。


アトランタ・ホークス

1位 トレイ・ヤング 33.9%

2位 ジャバリ・パーカー 23.4%

3位 ジョン・コリンズ 22.4%

1位はNBA2年目にしてオールスター先発にも選ばれたトレイ・ヤング選手がランクイン。USG%は33.9%と30%を超えており、オフェンスでの負担はかなり大きそうです。


クリープランド・キャバリアーズ

1位 コリン・セクストン 26.4%

2位 ケビン・ラブ 22.5%

3位 ケビン・ポーター 20.2%

1位はNBA2年目の21歳、コリン・セクストン選手がランクイン。自身はキャリアハイの20.8得点をマークし、キャリアアップしたシーズンとなりました。



ウェスタン・カンファレンス

ロサンゼルス・レイカーズ

1位 レブロン・ジェームズ 30.8%

2位 アンソニー・デービス 28.7%

3位 カイル・クーズマ 22.4%

1位と2位は、2019-20シーズン最強のデュオがランクイン。最早何も言うことがありません。3位はクーズマ選手。チームのオフェンスシステムに合わないと評されていることが多かったので、この結果は意外でした。


ロサンゼルス・クリッパーズ

1位 カワイ・レナード 32.8%

2位 ポール・ジョージ 29.2%

3位 ルー・ウィリアムズ 27.0%

こちらも納得の面子。1位と2位はクリッパーズが誇るNBA屈指のツーウェイプレイヤーのデュオがランクイン。3位は3度のシックスマン賞に輝いているルー・ウィリアムズがランクインしました。


デンバー・ナゲッツ

1位 ニコラ・ヨキッチ 26.7%

2位 ジャマール・マレー 24.8%

3位 マイケル・ポーターJr. 20.4%

1位と2位は、リーグ屈指のセンターであるニコラ・ヨキッチ選手とヤングコアであるジャマール・マレー選手がランクイン。3位には未完の大器、マイケル・ポーターJr選手が入りました。


ユタ・ジャズ

1位 ドノバン・ミッチェル 30.5%

2位 ボヤン・ボグダノヴィッチ 25.2%

3位 ジョーダン・クラークソン 24.3%

1位はワールドカップでアメリカ代表にも選ばれたドノバン・ミッチェル選手がランクイン。

23歳とまだ若いですが、コンテンダーのチーム(優勝争いをしているチーム)でUSG%が30%台を超えており、オフェンス面を支えていることが分かります。

2位は今季ペイサーズから移籍した、 リーグ屈指の3ポイントシューターがであるボグダノヴィッチ選手がランクインしました。

オクラホマシティ・サンダー

1位 デニス・シュルーダー 26.2%

2位 ダニーロ・ガリナーリ 24.0%

3位 シャイ・ギルジャス・アレキサンダー 23.5%

サンダーのUSG%1位は、ガリナーリ選手でもアレキサンダー選手でもクリス・ポール選手でもなく、デニス・シュルーダー選手という意外な結果でした。

サンダーの躍進の原動力となったUSG%2位のガリナーリ選手と3位のアレキサンダー選手は、ポール・ジョージ選手をトレードで出した時に獲得した選手です。

今シーズンオールスターにも選ばれたクリス・ポール選手のUSG%は、22.6%でチーム4位でした。

ヒューストン・ロケッツ

1位 ジェームズ・ハーデン 35.8%

2位 ラッセル・ウェストブルック 33.0%

3位 エリック・ゴードン 21.1%

ロケッツの1位は見なくても分かりますね。そう、ジェームズ・ハーデン選手です。USG%は驚異の35.8%。チームのオフェンスの大黒柱です。

2位はサンダーからトレードで移籍したウェストブルック選手。こちらもUSG%が30%を超えており、ロケッツは異例のUSG%が30%を超えている選手が2人いるチームになっています。

他の3人はスペースを広げるためのシューターという位置付けでしょうか。あまり見てないけど。

ウェスタンカンファレンス6位という順位はコンテンダーとして見られていたチームとしては正直物足りないですけど、スモールラインナップの真価を判断するにはまだ早いと思います


ダラス・マーベリックス

1位 ルカ・ドンチッチ 35.8%

2位 クリスタプス・ポルジンギス 25.8%

3位 ティム・ハーダウェイJr 20.9%

1位は2年目にしてNBAの顔の一人になったルカ・ドンチッチ選手がランクイン。USG%が35%を超えており、オフェンスの中心であることが数字からも分かります

2位はポルジンギス選手で、USG%が25.8%。もう少しボールを回せる余地が残されているかなと思ったり

3位はティム・ハーダウェイJr。こちらも得点力がある選手で納得の3人なのですが、もう少しハーダウェイJr選手にボールを渡してもいいのかなと思ったりもします。


メンフィス・グリズリーズ

1位 ジャ・モラント 25.8%

2位 ディロン・ブルックス 24.5%

3位 ジャレン・ジャクソンJr 23.7%

マイク・コンリー選手が抜けた今シーズンのグリズリーズ。そんなグリズリーズにおいて、エースとしてチームを牽引したのが2019年ドラフト全体2位のジャ・モラント選手でした。

線が細すぎて大丈夫かななんて私は思っていたのですが、1年目から平均17.6得点・6.9アシストの大活躍。恐れ入りました。

早くて上手い選手であり、新人王最有力候補の選手ですね。


ポートランド・トレイル・ブレイザーズ

1位 デェイミアン・リラード 29.3%

2位 CJ マッカラム 26.3%

3位 カーメロ・アンソニー 21.8%

トレイル・ブレイザーズのUSG%は、上位3選手は予想通りの選手が並びました。

1位はエースのリラード選手。2位はリラード選手とコンビを組むCJマカラム選手。3位は今季からブレイザーズに加入したカーメロ・アンソニー選手でした。

フロントコート陣が弱い印象がありますが、バックコート陣は3ポイントシュートもペリメーターも得意にしていますし、ポストシーズンでは勝てそうなチームだなと思います。


ニューオリンズ・ペリカンズ

1位 ザイオン・ウィリアムソン 28.2%

2位 ブランドン・イングラム 27.6%

3位 ドリュー・ホリデー 24.4%

1位は2019年ドラフト1位のザイオン・ウィリアムソン選手がランクイン。ネクストレブロンの異名にそぐわないプレーを見せてくれました。

2位はイングラム選手がランクイン。今季のMIP候補筆頭で、ペリカンズへ移籍してからのパフォーマンスの向上には目を見張るものがありました。


サクラメント・キングス

1位 ディアロン・フォックス 28.7%

2位 バディ・ヒールド 26.1%

3位 ボグダン・ボグダノヴィッチ 22.0%

1位はディアロン・フォックス選手。USG%は28.7%とかなりフォックス選手にボールを集めていたことが分かります

スピードが優れた選手ですが、今期のフォックス選手の成績は正直物足りなさを感じます。


サンアントニオ・スパーズ

1位 デマー・デローザン 26.4%

2位 ラマーカス・オルドリッジ 23.6%

3位 ルディ・ゲイ 20.6

1位はエースのデローザン選手。2位はセンターのオルドリッジ選手がランクイン。スパーズのデュオがUSG%上位にランクインしました

オルドリッジ選手は今季怪我で離脱した試合が多い印象があります。デローザン選手はポストシーズン移籍の噂もあり、どうなるのでしょうか。


フェニックス・サンズ

1位 デビン・ブッカー 28.9%

2位 ディアンドレ・エイトン 23.7%

3位 ケリー・ウーブレJr 21.9%

1位は安定のデビン・ブッカー選手がランクイン

USG%の上位にPGのルビオ選手が入っていないのが、意外でした。


ミネソタ・ティンバーウルブズ

1位 ディアンジェロ・ラッセル 28.1%

2位 カールアンソニー・タウンズ 27.8%

3位 アンドリュー・ウィギンス 27.6%

1位、2位は2015年ドラフト全体1位・2位コンビがランクイン

本格的にデュオの真価を魅せるのは来シーズンになりそうですが、お互いプレイエリアが被らないですし、得点力がある選手なので、お互いにとってオフェンスの負担を軽減してくれそうです。

USG%3位のウィギンス選手は、ディアンジェロ・ラッセル選手とのトレードでウォリアーズへ移籍しました。


ゴールデンステート・ウォリアーズ

1位 ディアンジェロ・ラッセル 31.4%

2位 アレック・バーク 23.0%

3位 エリック・パスカル 20.7%

USG%3位には、新人のエリック・パスカル選手がランクイン。3ポイントシュートも上手いですし、ハードワーカーで色んなチームで重宝されそうな選手ですよね。


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