【バスケ指標】NBAでよくみるオフェンシブレーティング(Offensive rating)とは何か?

NBAでよくみるオフェンシブ・レーティング(Offensive rating)とは何か?

NBAの試合を見ていると、たまにオフェンシブ・レーティング(Offensive rating )という指標が出てきます。

今回は、この オフェンシブ・レーティングとは一体どんなことが分かる指標なのか調べてました。

オフェンシブ・レーティングは、ディーン・オリバー氏によって作られた、チームまたは個人プレイヤーのオフェンスが、どのくらい効率的に得点を取れているかを測れる指標です。

このオフェンシブ・レーティングは100ポゼッション(攻撃権)あれば、何点取れるのかで表されます


では、実際に見てみましょう。下の表は、2019-20シーズンのオフェンシブ・レーティングの上位10チームが降順になったものです。(NBA Statsから引用)

NBA Statsから引用(2020年1月22日閲覧)

1位から順に、マブスの116.1、バックスの113.3、ロケッツの113.1という風に並んでいます。

例えばマブスは100ポゼッション(100回のオフェンス回数)のうちに、116.1得点を決めることができるということがここから読み取れます

すいかばくん
すごい効率的なオフェンス

オフェンシブ・レーティングの計算式

では、このオフェンシブ・レーティングは一体どういう風に算出されているのでしょうか。

その計算式は以下の通りになっています。

オフェンシブ・レーティング = 100 * {(創出された得点 : Points Produced) / (合計ポゼッション : Total Possessions)}

ここでは、なんとなく合計ポゼッションのうちどのくらい得点が取れたのか。それをパーセントで表示したものなんだなと思っていただければOKです。

ここから先は、創出された得点(Points Produced)・合計ポゼッション( Total Possessions )の算出方法について書いていきます。


創出された得点(Points Produced)の算出方法

まず創出された得点(Points Produced:略してPProd)の算出方法から。PProdの算出方法は以下のようになっています。

PProd = (PProd_FG_Part + PProd_AST_Part + フリースロー成功数) * (1 – (チームオフェンスリバウンド数 / Team_Scoring_Poss) * Team_ORB_Weight * Team_Play%) + PProd_ORB_Part

ハハハ、わかんねーwww

PProd_FG_Part、 PProd_AST_Part、 Team_Scoring_Poss、 Team_ORB_Weight、Team_Play%、 PProd_ORB_Part、の求め方は以下の通り。

PProd_FG_Part = 2 * (フィールドゴール成功数 + 0.5 * 3P成功数) * (1 – 0.5 * ((総得点 – フリースロー成功数) / (2 * フィールドゴール試投数)) * qAST)

PProd_AST_Part = 2 * ((チームのフィールドゴール成功数 – 該当選手のフィールドゴールの成功数 + 0.5 * (チームの3P成功数 – 該当選手の3P成功数)) / (チームのフィールドゴール成功数 – 該当選手のフィールドゴール成功数)) * 0.5 * (((チームの総得点 – チームのフリースロー成功数) – (総得点 – 該当選手のフリースロー成功数)) / (2 * (チームのフィールドゴール試投数 – 該当選手のフィールドゴール試投数))) * 該当選手のアシスト数

Team_Scoring_Poss = チームのフィールドゴール成功数 + (1 – (1 – (チームのフリースロー成功数 /チームのフリースロー試投数))^2) * チームのフリースロー試投数 * 0.4

Team_ORB_Weight = ((1 – Team_ORB%) * Team_Play%) / ((1 – Team_ORB%) * Team_Play% + Team_ORB% * (1 – Team_Play%))

Team_Play% = Team_Scoring_Poss / (チームフィールドゴール試投数 + チームのフリースロー試投数 * 0.4 + チームのターンオーバー数)

PProd_ORB_Part = 該当選手のオフェンスリバウンド数 * Team_ORB_Weight * Team_Play% * (チームの総得点 / (チームのフィールドゴール成功数 + (1 – (1 – (チームのフリースロー成功数 / チームのフリースロー試投数))^2) * 0.4 *チームのフリースロー試投数))

この計算式の煩雑さ、もはや笑うしかない。ここでまたqASTTeam_ORB%という新しい用語が出てきました。これらの算出方法は以下のようになっています。

qAST = ((該当選手の出場時間 / (チーム総出場時間 / 5)) * (1.14 * ((チーム総アシスト数 -該当選手のアシスト数) /チームのフィールドゴール成功数))) + ((((チーム総アシスト数 / チーム総出場時間) *該当選手の出場時間 * 5 – 該当選手のアシスト数) / ((チームのフィールドゴール成功数/ チーム総出場時間) * 該当選手の出場時間 * 5 – 該当選手のフィールドゴール成功数)) * (1 – (該当選手の出場時間 / (チーム総出場時間/ 5))))

Team_ORB% = チームの総オフェンスリバウンド数 / (チームの総オフェンスリバウンド数 + (対戦相手の総リバウンド数-対戦相手のオフェンスリバウンド数))

 

はい(笑)これで創出された得点(Points Produced)を求めることができます。


合計ポゼッション(Total Possessions)の算出方法

次に合計ポゼッションの算出方法について見ていきます。合計ポゼッション(Total Possessions:以下TotPoss)の算出方法は以下のようになっています。

TotPoss = ScPoss + FGxPoss + FTxPoss + ターンオーバー数

ScPoss、FGxPoss、FTxPossの求め方は以下の通りです。

ScPoss = (FG_Part + AST_Part + FT_Part) * (1 – (チームの総オフェンスリバウンド数 / Team_Scoring_Poss) * Team_ORB_Weight * Team_Play%) + ORB_Part

FGxPoss = (該当選手のフィールドゴール試投数 – 該当選手のフィールドゴール成功数) * (1 – 1.07 * Team_ORB%)

FTxPoss = ((1 – (該当選手のフリースロー成功数 / 該当選手のフリースロー試投数))^2) * 0.4 *該当選手のフリースロー試投数

 

すいかばくん
また新しい単語が出てきた・・・

 

それでは新しく出てきたFG_Part 、AST_Part 、FT_Part、ORB_Partの算出方法です。

 

FG_Part = 該当選手のフィールドゴール成功数 * (1 – 0.5 * ((該当選手の総得点 – 該当選手のフリースロー成功数) / (2 * 該当選手のフィールドゴール試投数)) * qAST)

AST_Part = 0.5 * (((チーム総得点 – チームフリースロー成功数) – (該当選手の総得点 – 該当選手のフリースロー成功数)) / (2 * (チームのフィールドゴール試投数 – 該当選手のフィールドゴール試投数))) * 該当選手のアシスト数

FT_Part = (1-(1-(該当選手のフリースロー成功数/該当選手のフリースロー試投数))^2)*0.4*該当選手のフリースロー試投数

ORB_Part = 該当選手のオフェンスリバウンド数 * Team_ORB_Weigh * Team_Play%

先ほど求めた創出された得点(Points Produced)を、ここで求めた合計ポゼッション(Total Possessions)で割って、100をかけるとオフェンシブ・レーティングが求めることができるわけですね。

スタッツ的には算出できないわけではないので、Bリーグとかでやってみると面白いかもしれないですね。


参考文献

Wikipedia-Offensive rating(2020年1月22日閲覧)

Basketball Reference – Calculating Individual Offensive and Defensive Ratings(2020年1月22日閲覧)

NBA Stats – NBA.com(2020年1月22日閲覧)

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