はじめに
今回は、2015年のドラフトをWARで振り返ります。
その前に、そもそもWARとは何なのか。
WARは、セイバーメトリクス(野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法)の指標の一つです。
より具体的に言うと、WARは「そのポジションの代替可能選手(Replacement)に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を表す指標に当たります。
今回は2015年ドラフトで指名された選手の、2016年~2020年までの5年間のWARの合計値(通算WAR)を見ていきながら振り返ります。
ちなみに、1シーズンのWARの評価基準は下の図になります。
それでは見ていきましょう!
WARで評価する2015年ドラフト
さて、それではWARで2015年ドラフトを評価していきましょう!球団編、選手編の2つに分けて見ていきます。
球団編
球団 | 合計WAR |
---|---|
オリックス | 22.5 |
楽天 | 16.7 |
DeNA | 15 |
中日 | 13 |
ヤクルト | 12.3 |
日ハム | 11.9 |
広島 | 11.8 |
西武 | 11.4 |
阪神 | 10 |
巨人 | 7.3 |
ソフトバンク | 1.1 |
ロッテ | 0.5 |
まず球団編。ドラフトから5年経ち、現在12球団中9球団がWAR10を超えています。
豊作ドラフトであると言えますな。
この年のトップは、オリックスで合計WAR22.5。
昨年の首位打者である吉田正尚選手が通算WAR18.1と荒稼ぎしていますね。近藤選手もWAR4.0と高い貢献をしています。
その次に楽天、DeNA、中日と続きます。
一方、ロッテとソフトバンクの2球団は通算WARが1.0以下と、この年のドラフトで入団した選手はほとんどチームの勝利に貢献していないことが分かります。
ドラフト当時は評価が高かった2球団ですが、残念ながら、ロッテとソフトバンクは外れドラフトだったと評価せざるを得ないですね。
選手編
順位 | 名前 | ポジション | 通算WAR | カテゴリー | 球団 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 吉田正尚 | 外野手 | 18.1 | 大学 | オリックス |
2位 | 茂木栄五郎 | 内野手 | 16.3 | 大学 | 楽天 |
3位 | 今永昇太 | 投手 | 14 | 大学 | DeNA |
4位 | 加藤貴之 | 投手 | 9.7 | 社会人 | 日ハム |
5位 | 多和田真三郎 | 投手 | 9.5 | 大学 | 西武 |
6位 | 青柳晃洋 | 投手 | 9.3 | 大学 | 阪神 |
7位 | 原樹理 | 投手 | 8.9 | 大学 | ヤクルト |
8位 | 岡田明丈 | 投手 | 7.2 | 大学 | 広島 |
9位 | 西川龍馬 | 外野手 | 4.3 | 社会人 | 広島 |
10位 | 阿部寿樹 | 内野手 | 4 | 社会人 | 中日 |
10位 | 近藤大亮 | 投手 | 4 | 社会人 | 中日 |
次に選手編。
通算WAR上位10人は大学・社会人で占めましたね。
森友哉選手(西武)とか松井裕樹選手(楽天)みたいな傑出した選手は、高校からプロに入っても4年くらいで、その年のドラフトの通算WARトップ10に入ってくるんですけどね。
大学生が豊作年だったので、上位11人中7人が大学からプロへ入った選手となりました。
1位は吉田正尚選手のWAE18.1、2位が楽天のフランチャイズプレーヤーである茂木栄五郎選手で16.3でした。3位がDeNAのエース今永昇太選手で14.0でした。
それ以下はご覧の通り。次のページで各球団の選手ごとのWARを振り返っていきます。
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