セイバーメトリクスのOPS+について

こんにちは!今回はOPS+という指標を紹介します。

基本のおさらい

OPS+を説明する前に、OPSについてふれていきます。On-base Plus Sluggingの略であるOPSは、打者を評価する指標の一つです。OPSは、出塁率と長打率を足して計算します。

OPSの開発者であるビル・ジェームズは、OPSを用いて以下のように打者をAランクからGランクまでの7段階に格付けできるとしています。(図1)

(図1)

例えば鈴木誠也選手の2017年のOPSは.936は、図1を見ると一番上のAランクに位置しており素晴らしいという評価になっています。同じく菊池涼介選手のOPSを見ていきますと、こちらは.747でDランク。平均的な打撃成績であることが分かります。

OPS+とは

さて本題に入ります。今日のテーマはOPS+ですので、OPS+の説明から入りたいと思います。OPS+はリーグ平均からの傑出度を測る指標で、シーズンやリーグの違う選手同士を比較する場合に使われます。

OPS+は平均に対する得点力の大きさをパーセンテージで表しています。OPS+が100の打者は平均的であり、OPS+が150の打者は平均より50%高い得点力を持っていることを表しています。計算式は以下のようになっています。

OPS+=100×(出塁率÷リーグ出塁率+長打率÷リーグ長打率-1)÷パークファクター補正

ここでまた新しい用語が登場しました。パークファクター補正とは何か。選手は全ての試合を本拠地で行うわけではないので、本拠地での試合の割合などにも考慮して、パークファクターがどのくらい成績に跳ね返るか補正しなくてはいけません。これをパークファクター補正と言います。補正係数の計算式は以下のようになっています。

補正係数=PF×(本拠地試合数÷試合数)+(チーム数-PF)÷(チーム数-1)×(他球団試合数÷試合数)

この補正係数を「割る」か「逆数でかける」かすると、パークファクター補正が出来ます。

2017年NPBのOPS+

さてここまでOPS+についての説明をしてきました。では実際に2017年のNPBの規定打席に到達した打者のOPS+を見ていきます。

セリーグ

選手チーム打率出塁率長打率OPSOPS+
鈴木誠也広島.300.389.547.936174
丸佳浩広島.308.398.505.903166
A.ゲレーロ中日.279.333.563.896165
C.マギー巨人.315.382.514.897153
筒香嘉智DeNA.284.396.513.909158
糸井嘉男阪神.291.382.448.830148
福留孝介阪神.263.373.444.818144
J.ロペスDeNA.301.330.533.863143
宮崎敏郎DeNA.323.377.479.856143
田中広輔広島.290.398.407.805139
坂本勇人巨人.291.372.430.802128
鳥谷敬阪神.293.390.377.767131
W.バレンティンヤクルト.254.358.506.864127
上本博紀阪神.284.366.403.769130
中谷将大阪神.241.308.443.751122
山田哲人ヤクルト.247.364.435.799111
安部友裕広島.310.354.400.754123
大島洋平中日.313.365.387.752126
梶谷隆幸DeNA.243.327.427.754114
桑原将志DeNA.269.332.415.747113
菊池涼介広島.271.311.405.716110
阿部慎之助巨人.262.329.389.718104
坂口智隆ヤクルト.290.364.350.71392
京田陽太中日.264.297.355.65293
中村悠平ヤクルト.243.324.325.64977
倉本寿彦DeNA.262.292.331.62478
小林誠司巨人.206.285.257.54256

パリーグ

選手チーム打率出塁率長打率OPSOPS+
柳田悠岐ソフトバンク.310.426.5891.016195
秋山翔吾西武.322.398.536.933158
茂木栄五郎楽天.296.370.497.867140
T-岡田オリックス.266.374.488.862137
A.デスパイネソフトバンク.262.347.513.859149
C.ペゲーロ楽天.281.356.490.846134
Z.ウィーラー楽天.271.342.493.835131
西川遥輝日ハム.296.378.416.794128
浅村栄斗西武.291.347.453.799122
角中勝也ロッテ.269.375.397.772125
松田宣浩ソフトバンク.264.319.458.777124
鈴木大地ロッテ.260.350.398.748117
B.レアード日ハム.229.308.459.767117
今宮健太ソフトバンク.264.317.422.739114
中村剛也西武.217.319.446.765112
中島宏之オリックス.285.360.392.752109
銀次楽天.293.362.367.728105
島内宏明楽天.265.352.391.743108
上林誠知ソフトバンク.260.302.434.736112
中村晃ソフトバンク.270.355.350.705107
太田泰示日ハム.258.302.417.719104
J.アマダ―楽天.237.304.424.729101
中田翔日ハム.216.310.367.67693
外崎修汰西武.258.315.390.70696
松本剛日ハム.274.314.353.66791
源田壮亮西武.270.317.351.66987
小谷野栄一オリックス.277.320.349.66986

両リーグで最高のOPS+を記録した選手は、柳田悠岐選手でした。OPS+195はほとんど平均の倍ですね!反対に両リーグで最低のOPS+を記録した選手は、小林誠司選手でした。OPS+56はおよそ平均の半分ほどですね。

規定打席に到達している選手は、100を超えているかそれに近い値を記録しているなと感じました。

おわりに

OPS+で分析できることは、wRC+でも代替可能です。各項目に対する重みづけが正確な分、wRC+の方が選手をより正確に評価できると思います。しかし計算式が複雑なためなのか、あまり認知がされていない感じがします。もしかしたらOPS+の方が計算式が単純な分、流行るのではと思っている今日この頃です。

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