センターラインに求められる打力とは

こんにちは!先日Twitterで「坂本誠志郎(阪神)は打力が足りない!OPS.700は打て!」と呟いたのですが、捕手の平均的な打撃成績を意外と知らないなと思い返しました。多分、捕手の平均的な打撃はOPS.700も打っていないです。そこで、今回はセンターラインのポジション(捕手・二塁手・遊撃手・中堅手)の平均的な打撃成績はどのくらいか調べることにしました。

打撃指標の解説

今回の調査に用いる打撃指標は、打率、OPS、wOBAの3つです。

打率とは、打者を評価する指標のひとつです。「首位打者」のタイトルもありますし、かなりメジャーな打撃指標のひとつだと思います。計算式は、打率 = 安打 ÷ 打数で求めます。リーグ別平均打率は下の<図1>のようになっています。これを見ると、大雑把ですがNPBの打率はだいたい.250くらいが平均でしょうか。

<図1>

OPSとは、On-base plus slugging の略であり、出塁率と長打率を足した値です。最近、メディアでの露出も増えてきているように感じます。その評価基準は下の<図2>のようになっています。OPS.700未満は平均以下、OPS.700以上だと平均、OPS.800以上だと良い、OPS.900を超えるとリーグ屈指の打者であると評価されます。

<図2>

wOBAとは、weighted On-Base Averageの略で、1打席当たりの打撃による得点貢献を表す打撃指標です。

計算式は、wOBA (NPB) = {0.69×(四球-敬遠)+0.73×死球+0.92×失策出塁+0.87×単打+1.29×二塁打+1.74×三塁打+2.07×本塁打}÷(打数 + 四球 – 敬遠 + 犠飛 + 死球)となっています。

複雑ですね。これはマニアックな指標なので、初めて見られる方もいるかもしれません。しかし、各項目への重みづけがOPSよりも適切ですし、wRAAやwRCという形で得点換算することが容易である優れた指標のひとつです。評価基準は<図3>になります。

<図3>

さて、いよいよセンターラインに求められる打撃成績を見ていきましょう。今回は2014年~2017年までの4年間のNPB12球団のセンターライン(捕手・二塁手・遊撃手・中堅手)の打率・OPS・wOBAをサンプルとし、その平均値と中央値を出してセンターラインの平均的な打撃成績を調べます。数字は「1.02 ESSENCE OF BASEBALL」から引っ張りました。(最近コピペ出来なくて使いづらくなりました…)

捕手に求められる打力とは

まず捕手から見ていきます。4年間の平均打率は.221でした。これはセンターラインの他3ポジションと比べてもかなり悪いです。OPSも.589。やはり捕手のOPSは.700を超えなかったですね。それどころかOPS.600すら越していなかったですが… wOBAも.275。この数字も非常に悪いです。平均値と中央値がほとんど変わらないことから、12球団全体で捕手の打撃成績が悪いことが分かります。

二塁手に求められる打力とは

次に二塁手です。平均打率は.261でした。センターライン4ポジションの中では中堅手に次ぐ数字になりました。OPSの平均値は.690。悪くないです。wOBAの平均値は.317となりました。これも悪くないですね。OPSとwOBAの平均値と中央値が離れているのは、山田哲人選手(ヤクルト)や浅村栄斗選手(西武)ら特定の選手が平均を引き上げたことが考えられます。中央値で見るとOPSは.656、wOBAは.305になり、かなり下がります。

遊撃手に求められる打力とは

遊撃手の平均打率は.256で、二塁手と比べると少し落ちます。中央値.256と平均値とほとんど変わりません。OPSの平均値が.671・中央値が.659です。打率は同じでしたが、OPSは12球団内で少し差があるようです。西武は源田壮亮選手が加入するまで、遊撃手のOPSが3年連続.600を切っていましたし、また鳥谷敬選手(阪神)や坂本勇人選手(巨人)・田中広輔選手(広島)など高出塁の選手が遊撃手にはいました。それらが原因のひとつかなと思います。wOBAの平均値は.310になりました。wOBAの評価基準と照らすと平均以下になります。

中堅手に求められる打力とは

最後に中堅手です。中堅手の平均打率は.269になりました。これはセンターライン4ポジションの中で一番高い数字です。OPSの平均値は.724、中央値は.699になります。平均値と中央値の間にかなり差があります。調べていてソフトバンク・西武・広島の3球団は突出しているなと思いました。柳田悠岐選手(ソフトバンク)・秋山翔吾選手(西武)・丸佳浩選手(広島)の3人はセンターとして飛びぬけた打撃成績を出しています。wOBAの平均値は.331で、中央値は.322でした。wOBAの評価基準と照らしても中央値の数字で平均ですし、センターに求められる打力は高いですね。

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。私も長年の疑問が解消されてスッキリしました(笑)2018年、贔屓球団のセンターラインの選手を見るときひとつのサンプルになれば幸いです。

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