「本当に偉大なプレイヤーだけがシングルギャップで相手を抜ける。いいプレイヤーならダブルギャップで抜けるだろう。しかし、トリプルギャップなら誰でも抜けるのだ。」 ヴァンス・ウォルバーグ
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はじめてのドリブル ドライヴ モーション オフェンス【DDM】
今回紹介するのは、ドリブル ドライヴ モーション オフェンスです。
ドリブル ドライブ モーション オフェンス(以下DDM)は、ヴァンス・ウォルバーグ氏が考案し、名将ジョン・カリパリ氏(現ケンタッキー大学)が広めたバスケットボールのオフェンスシステムです。
このDDMの核となるのは、リム(リング)へのドライブです。
リングに向かって、ドリブルで切り込んでいくことですね。
ドライブすることで、ヘルプディフェンスを引きつけ、レイアップか3Pシュートの状況を作り出すことがDDMの目的です。
ドライブで相手ディフェンスを抜き去るにはどうすればいいか
リムへのドライブをするためには、何が必要だと思いますか?ちょっと考えてみてください。
答えは、適切なスペースを保つことです。
DDMを考案したヴァンス・ウォルバーグ氏は、スペースについて以下のように述べています。
「本当に偉大なプレイヤーだけがシングルギャップ(プレイヤー間に4~5mくらいスペースが空いている状況)で相手を抜ける。いいプレイヤーならダブルギャップで抜けるだろう。しかし、トリプルギャップなら誰でも抜けるのだ。」 ヴァンス・ウォルバーグ
ウォルバーグ氏は、スペースは広ければ広いほど相手ディフェンスを抜きやすくなると述べています。
ドリブル ドライヴ モーション オフェンスの2つの短所
DDMにも短所が2つあります。その2つの短所というのがこちら。
①ペネトレート(リムへのドライブ)が出来るガードが絶対必要なこと
②3ポイントシュートが決められる良いシューターが必須条件なこと
ペネトレートができるガードと3ポイントシューターという2人の役者がいなければ、DDMは成り立たないわけです。
もう少し詳しく見ていきます。
ペネトレートが出来るガードが必要なこと。これは大丈夫ですね。
リムへのドライブがDDMの基本的な戦術です。
相手ディフェンスを抜かして、ペネトレートするとヘルプディフェンスが来る場合があるでしょう。
(ヘルプディフェンスが来なかったら、そのままレイアップです)
その時に必要となるのが、3ポイントシューターです。
ペネトレートしたガードがディフェンスを引き付けてくれたおかげで、3ポイントシューターがオープンな状況でシュートを打てるわけです。
すいかばくん、良い質問です。
3ポイントシューターのシュートを防ぐために、ディフェンスがクローズアウト(3線ポジションから1線ポジションに切り替わる時、一気に間合いを詰めること)した場合どうするか?
答えは簡単。
そのままシュートを打つか、ディフェンスの勢いを利用してリムへドライブするかの2択です。
DDMの目的は、1回の攻撃の中で、数回のクローズアウトをさせ、レイアップor3ポイントシュートで得点をすることです。
そのため、クローズアウトさせた時点でオフェンスは成功しているんですね。
まとめ
まとめます。
・DDMの目的は、レイアップか3Pシュートを打てる状況を作り出すこと
・そのためには必要となるのは、リム(リング)へのドライブ
⇒リムへのドライブのためには、適切なスペースを保つことが必要
・DDMを成り立たせるには、ペネトレートできるガードと3ポイントシューターが必要
・1回の攻撃で、相手ディフェンスに複数回クローズアウトさせ、レイアップor3ポイントシュートで得点をすることが目標
更にドリブル ドライヴ モーション オフェンスが知りたい方は、Mads Olesen氏の『ドリブル ドライブ モーション オフェンス』という本がおすすめです。