バスケットボールの「リトリート」とはどんなムーブか?
バスケットボールのリトリート、またはリトリートドリブルというムーブをご存じでしょうか。
リトリート(retreat)とは、英語で「退却」という意味の名詞です。そう、このリトリートは言葉の通り、ディフェンスから離れるように下がるムーブのことを指しています。
NBAではどのようにリトリートが使われているのか、下の動画で見ていきましょう。
ヘジテーション(緩急)としても使えるこのリトリートですが、一番その効果が発揮されるのは相手ディフェンスにブリッツをされた時です。
ブリッツとは、ピック&ロールに対するディフェンスのひとつで、ボールマンをマークするプレイヤーとスクリーナーをマークするプレイヤーの2人で、ボールマンをディフェンスすることを言います。
先ほど見た動画の一番最初のプレーも、実はブリッツを回避するためにリトリートしています。
ユーザーをマークするディフェンスとスクリーナーのディフェンスで、ボールマン(ドライブをしている人)に対してブリッツをしています。
このまま、ボールマンが足を止めてしまったり、二人のディフェンスの間を潜り抜けようとしていたらターンオーバーになってしまうでしょう。
この状況を打開するために、ボールマンが取った戦術がリトリートなのです。
リトリートして、スペースを確保していますよね。
『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』という本でリトリートについて以下のように記載されていました。
ディフェンス側が仕掛けて前に出てきたときに、後方に下がるプレーを「逃げるプレー」として忌み嫌うチームがあります。しかし、ブリッツに対して突っ込んでいくことは、ディフェンスのプレーヤー2人に対して1人で解決しようとする数的不利な状態になります。後ろに下がるという選択肢を持ち、オフボールマンと協力して解消することで、次の展開としてアウトナンバーの数的有利な状態を作ることも可能になります。
『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』小谷究・綱野友雄/著 東邦出版 2019年 より引用 太字は引用者
まさにこの通りだと思います。オフェンスにおいて、最重要なのはリムへのアタックですが、猪突猛進だけがバスケではありません。
下がることも時として、有効な手になるのです。
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