ペイサーズ2019-20シーズン、選手の活躍度診断
ペイサーズ総括
■今季成績:39勝26敗(.600)イースタンリーグ5位/セントラルディビジョン2位
コンテンダー(優勝を狙うチーム)として挑んだ今季のペイサーズ。
終始怪我人が多い中、実力者揃いのバックコート陣と運動量の多いサボニス選手・ターナー選手のフロントコート陣で、イースタンカンファレンス5位に位置付けた。
マルコム・ブログドン選手、アーロン・ホリデー選手、T.J.マッコネル選手のPGは三者三様の特色があり、チームのオフェンスシステムのレパートリーを広くした。
SG、SFのポジションには3ポイントシュートが得意なラム選手やウォーレン選手、マグダーモット選手を配置でき、ディフェンスを広げ、スペースを空けることに成功した。
センターラインでは、ブログドン選手またはオラディポ選手とサボニス選手の2メンゲームが展開され、非常に高精度なオフェンスシステムを作り出せた。
ディフェンスではリムプロテクターであるマイルズ・ターナー選手を中心に、リーグでも指折りのディフェンスが優れたチームを作り上げることに成功した。
来期シーズンに向けての課題は、エースオラディポ選手のシュート力の復活とフロントコートの層の底上げだろう。
特にフロントコートの層は薄く、トレードもしくはFAでCもしくはPFのリザーブの強化に乗り出したい所だ。
チームスタッツ
平均得点 109.3点(22位)
平均失点 107.4点(7位)
平均リバウンド数 42.8(24位)
平均アシスト数 25.9(6位)
平均スティール数 7.2(22位)
平均ブロックショット数 5.1(11位)
平均ターンオーバー数 13.1(5位)
FG成功率 47.7%(3位)
3ポイント成功率 36.3%(12位)
フリースロー成功率 78.7%(12位)
ORtg 109.7点(17位)
DRtg 107.7点(7位)
主要ラインアップ
選手評
選手の活躍度を評価する上で以下のスタッツを使っている。
マルコム・ブログドン
ペイサーズの正PGとして、チームを牽引したブログドン選手。エースのビクター・オラディポ選手が怪我で離脱する中、ペイサーズをウェスタンリーグ5位に押し上げたのはブログドン選手の力によるところが大きい。
ブログドン選手は、堅実なシュート力とハンドリング力でゲームメイクをし、ペイサーズを幾度も勝利に導いた。
試合における貢献度は、オールスターに選ばれたサボニス選手と双璧だったが、ブログドン選手は怪我が多く、欠場した試合が多かったため評価はBになった。
ドマンタス・サボニス
シックスマンだった昨シーズンからスタメンへ成長。ほぼ全てのスタッツでキャリアハイを達成した。
ほぼ毎試合ダブルダブルを達成し、ペイサーズのシーズンダブルダブルのフランチャイズ記録(トロイ・マーフィー:49試合)を更新する50試合を記録した。
今シーズンはキャリア初となるオールスターにも出場。飛躍する1年となった。
T.J.ウォーレン
トレードでサンズからペイサーズに移籍したウォーレン選手。ペイサーズ1年目のシーズンだった今シーズンは、チームハイとなる平均18.7得点をマークし、期待以上の成績を納めた。
カッティングを多用し、空いたスペースで得点を奪うことが優れているウォーレン選手。ペリメーターを主戦場としているにも関わらず、FG%は驚異の52.9%と高精度。
3P%も37.5%と高確率で沈め、自身が非常に効率的に得点を取れる選手であることを証明した。
マイルズ・ターナー
昨シーズンのブロック王は、今シーズンもリーグ屈指のリムプロテクターとしてディフェンスでチームに貢献した。
今シーズンからコートのセンターラインからペイントエリアまでをサボニス選手が使うことが多く、ターナー選手はアウトサイドでエントリーすることが多かった。
ストレッチ5(3ポイントシュートが打てるセンター)としての役割が求められ、今シーズンはキャリア最多となる1試合平均4.2本の3ポイントシュートを試投した。(3ポイント成功率は33.6%)
平均得点はキャリアで2番目に低い11.8得点。求められた役割でチームに貢献しようとする献身性には目を引くが、オフェンスではターナー選手の能力とペイサーズのシステムがマッチしていないように感じる。
アーロン・ホリデー
2018年のドラフト1巡目全体23位でペイサーズから指名を受け、2年目のシーズンを終えたアーロン・ホリデー選手。
今季はプレータイム、平均アシスト、平均リバウンド、平均得点とほぼ全てのスタッツで昨年を上回った。
特に3ポイント成功率は39.4%と高精度で決めた。
そんなアーロン・ホリデー選手の評価がCなのは、PGとして必要なゲームメイク力にまだ課題が見えるからだ。
ターンオーバー数を抑えて、味方に得点を取らせる技術を向上させたい。
ジャスティン・ホリデー
アーロン・ホリデー選手の兄であるジャスティン・ホリデー選手。今シーズンは、ホリデー兄弟の力でものにした試合も少なくなかった。
12月28日のペリカンズ戦では、ペリカンズに在籍している弟ドリュー・ホリデー選手と共に、3兄弟で同じコートに立つというNBA史上初となる快挙を達成した。
ジャスティン・ホリデー選手は、3ポイントシュートとディフェンスが優れる3&Dの選手。
相手チームのエースをマークすることも多く、オフェンスだけでなくディフェンスでもチームに貢献した。
T.J.マッコネル
今季からシクサーズからペイサーズに移籍したT.J.マッコネル選手は、セカンドユニットのPGとしてチームに大きく貢献した。
ハーフコートバスケットで作りこむオフェンスが好きなブログドン選手と違い、積極的にリムにアタックしてトランジションが早いオフェンスを作れるマッコネル選手は、ペイサーズのオフェンスに幅を持たせた。
平均出時間18.9分と短いながら、平均5.0アシストをマーク。185cmと小柄ながら、ペリメーターエリアでの空いたスペースでのシュートを得意とし、FG成功率は51.7%と高いシュート成功率を記録した。
ダグ・マグダーモット
今季からユタ・ジャズへ移籍したボヤン・ボグダノヴィッチ選手に代わり、シューターとしての役割を担ったダグ・マグダーモット選手。
今季はキャリアハイとなる1試合平均3ポイントシュート試投数4.3本を記録、それでいて3ポイント成功率もキャリアハイの44.5%をマークした。
ディフェンスは課題だが、キャッチ&リリースから平均時間20分で平均10.4得点をマークし、チームに欠かせない選手となった。
ジェレミー・ラム
得点力アップのために、3年3,100万ドル(約34億円)で契約したジェレミー・ラム選手。
平均得点は12.5点とまずまずも怪我が多く、出場できない試合が多かったため、評価はCになった。
シーズン終盤には前十字靭帯(ACL)断裂という大怪我を負いシーズンアウト。厳しいシーズンとなった。
ビクター・オラディポ
昨シーズンの1月に右足大腿四頭筋腱断裂を断裂し、今シーズンの前半はリハビリのため全試合欠場。
1月29日のブルズ戦で約1年ぶりに戦線復帰した。
復帰後はシュートタッチが合わず、FG%は39.1%・3ポイント成功率は30.4%と低調なシュート確率に終わった。
来期は4年契約の最終年。シュートタッチを戻して、エースとしてチームを勝利に導いてほしい。
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