美間優槻選手と曽根海成選手のトレードについて

美間優槻選手と曽根海成選手のトレード

美間と曽根のトレードのニュースには驚きました。

ソフトバンク曽根海成内野手(23)と広島の美間優槻内野手(24)の交換トレードが22日、両球団から発表された。内野手の層を厚くしたい思惑が一致。補強期限の今月31日を迎える前に、駆け込みで交渉がまとまった。ソフトバンク曽根海成、広島美間優槻が交換トレード

お互い有望株だったので、おそらく広島・ソフトバンクファンはかなり驚いただろうと思います。カープが最後にトレードを行ったのは、2013年の青木高広(広島)⇔小野淳平(巨人)だったので、実に5年ぶりのトレードになりました。

美間優槻選手とは

基本情報

美間優槻 年齢:24歳 ドラフト/順位 : 2012年/ドラフト5位

身長/体重 : 177cm/90kg 投打/右右 出身 : 鳴門渦潮高

多くのカープファンが美間選手に期待していたと思います。私も期待していて、私の中でのプロスペクトランキングでは4位を付けた選手でした。パワーとアームの2ツールが優秀な選手です。ハンドリングも上手く、アームの強さを活かした三塁守備が上手い選手です。メインはサードですが、一軍ではファーストも守った試合もありました。

広島カープ、プロスペクトランキング(2018)

2018年3月8日

実際に今年1軍で30試合(81試合終了時点)に出場したところから首脳陣の期待が高かったことが伺えます。バッティングは、38打席立って5安打、打率.139と1軍の壁に跳ね返される形となりました。一軍では差し込まれる場面が多かったので、ミートポイントを前にすることが今後の課題になると思います。ソフトバンクの事情は詳しくないですが、十分松田選手(ソフトバンク三塁手)の後釜を狙えるポテンシャルがあると思うので、ソフトバンクでレギュラーを奪って欲しいです!

トレードの狙いを探る

トレードの狙いについて考えてみます。広島カープの鈴木球団本部長の発言を踏まえると、カープは脚と肩が優れた選手また二遊間の選手が足りないと考えていたみたいです。

 広島・鈴木清明球団本部長が22日、美間とソフトバンク・曽根のトレードの狙いを明かした。「二遊間に何かあった時のため。(曽根は)守備はどこでも守れる。高校時代にキャッチャーもやっていたし、外野もできる。肩、足、守備を備えた選手。代走、守備固めとして。打撃はファームで作っていく」と説明した。チーム全体を見渡して「足と肩が全体的に落ちている部分がある。これから先を見たときに、そういう選手が必要」とした。 広島・鈴木球団本部長、美間と曽根のトレード理由明かす「二遊間に何かあった時のため」

確かに25歳以下の若手を見渡すと、肩と脚がプロでもトップクラスの選手は野間・鈴木誠也・中村奨成くらいです。スピードとアームのツールが頭抜けた選手が少なくなってきた中で、スピードとアームの評価が高い曽根選手の獲得はうなづけます。

鈴木本部長が言う「二遊間に何かあったときのため」という台詞は、いろいろと示唆性に富んでいると思います。まず現状の田中と菊池の控えの選手では物足りないと考えていることがくみ取れます。ファームで現在二遊間を守っている桒原選手と木村選手は、今後出場機会が減少するのではないでしょうか。

また順調に行けば来年FA権を獲得する菊池、再来年FA権を獲得する田中の引き止めに失敗したときのことも想定しているのではないかと私は考えています。引き止めに失敗したとき、曽根選手でデプスの穴を埋めようとフロントは考えているのではないかと思います。

カープの2018年ドラフト戦略は変わるのか

カープのドラフト戦略は変わるのかについて考えていきます。私は今シーズンが開幕してからカープはショートストップを獲得しに行くと踏んでいました。それは曽根選手を獲得した背景からも分かる通り、ファーム組織に優秀な若手ショートストップがいなかったからです。それが今回のトレードを受けて、指名しなければいけないポジションの優先度が変わるか考えていきます。

まずは年代表を見て行きます!下の図は最新版のカープの年代表です。これを見ると、21~23歳の投手、高卒内野手、大卒(社会人)外野手が今年の補強ポイントになりそうです。投手に関しては昨年素質型中心の指名になったので、今年は逆に即戦力中心の指名になると思います。高卒内野手に関しては、私は三塁手タイプではなく二遊間の選手を指名するのではないかと予想しています。理由はあとで述べます。大卒外野手はデプスの穴なので指名はありそうですが、野間・誠也と若くて力のある外野手がいるので優先度は低いと予想しています。

つぎに今後5年間のロースターの保有権を見て行きます。今シーズン末、丸(OF)と松山(OF)がFA権を所得します。また来シーズン末では菊池(2B)、野村(SP)、ジョンソン(SP)、會澤(C)がFA権を所得する見通しになっています。3年後には田中(SS)がFA権を所得する見通しです。高卒内野手は二遊間だと予想した理由はここにあります。

現在、一塁を守っているバティスタ、三塁を守っている西川(安部)は5年後もカープが保有権を持っていますが、二遊間を守る菊池と田中はFA権が迫っています。それなので、優先度は二遊間>一三だと考えています。それでは「今回美間を出してまで曽根を取った意味は?」と疑問を持たれるかもしれません。

私は曽根選手を、今年獲得する高卒二遊間の選手と田中・菊池選手までの繋ぎのプレイヤーだと考えています。今年高卒二遊間の選手を指名するとして、田中・菊池選手までの間が空きすぎます。高卒二遊間の選手が育つまでの間に、田中・菊池選手がFAで他球団に移籍することも考えられます。そのリスクヘッジとして曽根選手を獲得したというのが私の意見です。

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