セ・パのセンターラインの特徴

セイバーメトリクスにwOBAという指標があります。これは簡単に言うとOPS(出塁率+長打率)をより正確に表した指標です。四球、単打、二塁打、三塁打、本塁打等にそれぞれの得点価値を加重して求めます。ちなみにDELTAのwOBAの計算式はこうです。

wOBA(NPB版)={0.692×(四球−故意四球)+0.73×死球+0.966×失策出塁+0.865×単打+1.334×二塁打+1.725×三塁打+2.065×本塁打}÷(打数+四球−故意四球+死球+犠飛)

うーん、難しいですね。前置きが長くなりましたが、今回はこのwOBAを用いてセパのセンターラインの違いについて見て行きます。下の図をご覧ください。

セパセンターライン

これは2014-2017年(8/21現在)のポジション別のwOBAをリーグで分けたものです。まず捕手からですが、ここは両リーグ打てる選手を置いてないです。センターラインの4ポジションを比較しても一番打ててないポジションです。逆説的にセンターラインの4ポジションの中で一番守備力を求められていることが言えます。守備機会の多さは断トツですし、これも当然かもしれません。

中堅手にはセンターラインではありますが外野手なので、ある程度打力が求められます。パリーグの方がわずかにwOBAが高い(打力がある)です。

に二塁手と遊撃手のwOBAは4年連続でセリーグの方が高いです。ここから、セリーグは二塁手と遊撃手に”打てる”選手を置いてることが分かります。もちろん浅村栄斗や茂木栄五郎などパリーグにも打てる二遊間の選手はいますが、トータルで見た時にセリーグの方が打てる選手を置いていることが言えます。

ここにDHの有無の差が顕著に出てます。投手が打席に立つセリーグでは、ここで1つ自動アウトになります。前述した捕手にも守備力を重視するため打力が低いことがほとんどです。その上、二遊間にまた守備専を置くと3つ自動アウトになるので、ある程度打てないと使えないのです。例えば大和(阪神)は二遊間(彼はセンター守備も一流)の守備が上手いですが、ショートストップに守備専を置くと投手捕手遊撃手と自動アウトが3つになります。セリーグだと大和のような選手をレギュラーで使うことは難しいのです。

逆にパリーグはDHがあるので、二遊間、特にショートストップに守備専を置くことができます。中島卓也(日ハム)や去年までの今宮健太(SB)がその代表です。

センターラインのポジションは守備重視。この考えは野球の基本です。この考え方に自分は賛成です。

ただやはり問題となるのはDHの有無です。セリーグは投手が打席に立ち、パリーグは強打者が立てます。ここから全てのリーグ格差が生じていると思います。セリーグの球団がパリーグの球団に勝ち、出し抜くためには、両リーグ通じてもいない”打てる捕手”の擁立し、自動アウトを2つ作らない(=打てないのは投手だけという状況)ことを目指すべきかなと思いました。難しいですけどね。

それでも自分はパリーグでなくセリーグが率先して”打てる捕手”の育成を目指してほしいです。

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