ヘッドを立てるとは何か?【バッティング】

ヘッドを立てるとは何か?

今回は、野球のヘッドを立てることについてのお話です。

『新時代の野球データ論 フライボール革命のメカニズム』で、ヘッドを立てることについて以下のように書かれていました。

この言語をそのまま実践すると、ヘッドがグリップよりも高い位置のままスイングし、インパクトを迎えることになる。しかしながら、インパクトの瞬間におけるバットの角度を観察してみると、よほど高いボールを打たない限り、ヘッドとグリップはそのような位置関係にはならない。基本的にはヘッドはグリップよりも下側に位置しているのだ。

この本はトラッキングデータを用いて、安打が出やすい打球速度は何キロか、その打球速度を出すためにはスイングスピードが何キロいるのかなど興味深い話が多いのですが、このヘッドについては意見が違います。

ということで、私の意見がこちら。


このツイートをもう少し深堀していきます。

コックとは何か

コック(コッキングとも言う)とは、手首の角度の状態のひとつです。

親指を出した状態で、じゃんけんのグーの形を作ります。次に親指を胸の方に向けます。

この時の手首の角度のことをコックと言います。

みんなのゴルフダイジェスト「『コックの“向き”が飛ばしのコツです!』飛ばし美女・小澤美奈瀬が教える、飛距離アップのリストワーク【動画あり】」から引用(2020年4月10日閲覧)

この手首のコックがアンコック(コックが解けた状態)になる時、バットのヘッドスピードが上がるようになります

そのため、プロ野球選手はトップの時にコックの状態を作ります。

コックを作ると、バットのヘッド(先端)は自然と立つようになると思います。(図1)

そう、ヘッドを立てるというのは、トップの時の話なのです。

(図1)森友哉選手のバッティングフォーム(トップ時)

トップの時にコックを作った(ヘッドを立てた)あと、バットはインパクトに向けて振り下ろされていきます。

そして振り下ろされていく間に、トップの時に作ったコックは自然と解けて(アンコックの状態)、ヘッドスピードが上がるようになるのです。(図2)

(図2)森友哉選手のバッティングフォーム(インパクト時)

ですので、インパクト時にヘッドが立っているわけがないんですよね。

繰り返しになりますが、ヘッドを立てるというのはトップの時の話であり、ヘッドを立てる背景には手首のコック(コッキング)があるのです。

おわり。

関連記事

林晃汰選手のバッティングフォームは高校時代とプロ1年目でどう変わったのか【広島カープ】

2020年3月19日

野球における「試合の流れ」とは何か?

2020年1月27日

打てる打者の3つの共通項

2019年9月27日

丸佳浩はいつ「受け型回転」から「突っ張り型回転」になったのか

2017年7月31日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。