2017年セリーグ2位だった阪神は、今年どのような戦いを見せてくれるのでしょうか。
2017年シーズン
打撃成績
打撃成績は広島カープの時と同様にwRC+を使って見ていきます。wRC+とは、打撃での得点貢献を平均基準で指数化したものです。簡単に言うと、どのくらい打者が点を取れるか+球場ごとの差を重み付けすることでなくす、という2つの作業をした指標です。これで球場関係なく評価することができます。
下の<表1>はそのwRC+をポジションごとに分けて、平均100・標準偏差10となるように規格した偏差値です。ややこしいので、下の<表3>で緑色のポジションは他の11球団の同ポジションの選手と比べて打っていることだけ知ってもらえれば良いです!赤色は逆です
<表1>
打撃で上澄みを出しているポジションは二塁手と三塁手、そして右翼手ですね。上本・鳥谷・福留(糸井)は今年もレギュラーとしての働きが期待されます。他のポジションも大きな穴となっているポジションはなく、マイナスだった一塁手には今年KBOで活躍したロザリオを補強しました。
守備成績
UZRとは、ultimate zone ratingの略であり、守備全般での貢献を表す指標です。UZRを算出している会社は、映像を見て打球を種類・速度・位置ごとに分類して出しているらしいです。具体的なことは私も知りません。
下の<表2>は阪神タイガースのUZRをポジションごとに分けたものです。先ほどのwRC+と同様に緑色のポジションは他球団より良くて、赤色になるにつれ劣っていることを表しています。
<表2>
ほとんどのポジションで真っ赤ですね…。唯一プラスを出しているのが遊撃手です。
投球成績
投球成績について見てみましょう。タイガースの投球成績は下の<表3>です。チーム防御率はリーグ1位。また救援防御率や奪三振率、被打率、WHIPもリーグ1位でした。昨年、リーグナンバーワンの投手力があったと言って良いでしょう。
<表3>
気になる点はQS率が6位な点です。QS(クオリティ・スタート)は先発投手が6回以上投げ、3自責点以内に抑えたときに記録されます。メッセンジャー以外、長いイニングを投げれる投手が少なかったということですね。秋山、岩貞、小野と良い素材の投手が多いので、ここから長いイニングを投げられる投手が出て来ることを期待したいです。藤浪の復活にも期待したいです。
新加入・退団
新加入
ウィリン・ロザリオ(29) 1B 投打/右右 180cm99kg
2016、17年は韓国のKBOでプレーしました。KBOでは2年連続30本塁打以上打っています。昨年の打率は.339でOPSは1.074でした。
呂彦青 (21) LHP 投打/左左 178cm72kg
武器は最速148キロの直球と鋭いスライダー、チェンジアップ。
ディエゴ・モレノ(31) RHP 投打/右右 185cm81kg
昨年はメジャーで5試合登板し、防御率.476でした。マイナーでは2リーグ跨いで21試合に登板し、防御率0.91。BB/9が1.5、K/9が8.8でした。
尾仲祐哉 (24) RHP 投打/右左 173cm72kg
大和の人的補償としてDeNAから阪神へ移籍した。最速151km/hのストレートとスライダーが武器。ストレートの平均を上げることが課題になりそうです。
一塁手の補強に阪神はロザリオを選択しました。海外のリーグで経験していることは大きな強みですね。個人的に呂彦青(ルー・ウェンチ)投手に注目しています。メッセンジャー、ロザリオ、ドリス、マテオと外国人枠は埋まっているので、当面は二軍かもしれません。将来性を買っての獲得だと思いますので、将来阪神のローテーションに入ってくるかもしれませんね。
退団
大和 100試合 252打席 打率.280 1本塁打 16打点 出塁率.331 長打率.319
ロジャース 40試合 140打席 打率.252 5本塁打 23打点 出塁率.329 長打率..431
守備の名手である大和の穴は大きいですね。遊撃手は誰になるのか注目が集まります。
2018シーズン
ポジション | 選手名 |
---|---|
捕手 | 原口文仁(26) |
一塁手 | ロザリオ(29) |
二塁手 | 上本博紀(32) |
三塁手 | 鳥谷敬(37) |
遊撃手 | 大山悠輔(24) |
左翼手 | 高山俊(25) |
中堅手 | 中谷将大(25) |
右翼手 | 糸井嘉男(37) |
遊撃手はレギュラーが決まっていない状況です。糸原や北條、植田など候補が多いですが、私は大山を遊撃手に推します。スローイングも安定していますし、ショートも守れると思います。何より彼の打撃力は魅力です。一塁手はロザリオが守りそうです。
ローテーション一番手 | メッセンジャー |
ローテーション二番手 | 藤浪晋太郎(24) |
ローテーション三番手 | 秋山巧巳(27) |
ローテーション | 岩貞裕太(27) |
ローテーション | 小野泰己(24) |
ローテーション | 馬場皐輔(23) |
リリーフ | 石崎剛(28) |
リリーフ | 桑原謙太郎(33) |
リリーフ | 岩崎優(27) |
リリーフ | マテオ(34) |
クローザー | ドリス(30) |
ローテーションの柱はメッセンジャーと秋山になると思います。また藤浪が復活するかどうかで、戦況は大きく変わりそうです。ブルペンはセリーグ屈指の投手層です。マテオ・ドリス・岩崎・桑原・高橋に加え、石崎も来年はスタッフに加わりそうです。
阪神タイガースのプロスペクト
馬場皐輔(22) RHP 180cm/90kg
2017年ドラフト1位。150㌔を超えるファストボールを投げる右のパワーアーム。1年目からローテーション入りも狙えそうです。
高橋遥人(22) LHP 180cm/78kg
2017年ドラフト2位。140後半のキレのあるファストボールが最大の特長。変化球もチェンジアップのように沈む2シームとスライダーを投げる。課題は四死球数の多さか。
才木浩人(19) RHP 188cm/78kg
2016年ドラフト3位。「藤浪二世」の呼び声も高い右のパワーアーム。
望月惇志(20) RHP 189cm/92kg
2015年のドラフト5位。最速155km/hのストレートが持ち味。制球力が課題。
植田海(22) SS 175cm70kg
2014年ドラフト5位。プロトップクラスの走力と守備が売りの若手遊撃手。課題はバッティングでしょうか。
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