Bリーグ、オフシーズンの勝者と敗者【2023-24】
今回は、今オフの勝者・敗者のクラブを見ていきたいと思う。
ここで言う勝ち・負けは、昨季のクラブと比べて戦力がアップしたか、ダウンしたかだ。
例えば、敗者に千葉ジェッツを入れているが、昨年と比べて戦力がダウンしただけで、来季もコンテンダーであることは変わりない。
と前置きはここまでにしてさっそく、私が思う勝者と敗者を紹介したい。今オフの勝者クラブと敗者クラブはこちらである。
勝者:宇都宮、SR渋谷、三河、FE名古屋、琉球
敗者:川崎、信州、佐賀、富山、千葉
ひとつひとつ見ていこう。
勝者
宇都宮ブレックス
課題だった帰化・アジア枠に、リーグ最強格の帰化ビッグマンであるギャビン・エドワーズ選手が加入。
また平均73.7得点(リーグ23位)、オフェンシブレーティング108.9(リーグ14位)と低調だったチームのオフェンス力を改善するため、昨季平均19.4得点をマークしたDJ.ニュービル選手を獲得した。
若手では高島紳司選手が台頭してきており、戦力アップと世代交代両方を進めたオフシーズンとなった。
サンロッカーズ渋谷
今オフの目玉だった日本代表の帰化ビッグマンであるジョシュ・ホーキンソン選手と万能ウィングの田中大貴選手の両取りに成功。
SFには、群馬から攻守に優れたアキ・チェンバース選手を獲得するなど、SR渋谷は今オフの最大の勝者となっている。
シーホース三河
昨季平均10.4得点・6.3アシストをマークした久保田義章選手を獲得した三河。
これにより長野選手をセカンドユニットへ回すことができ、PGの層の厚みを増すことに成功した。
センターのダバンテ・ガードナー選手はパス能力の高いビッグマンであり、ポイントセンターの周りに西田優大選手や石井講祐選手らシューター陣を置いたことも◎。
ファイティングイーグルス名古屋
帰化ビッグマンであるルーク・エヴァンス選手を中心にチームを作っているFE名古屋。
チームの課題はオフェンシブレーティング103.2で23位に終わったオフェンス力の低さだった。
今オフは爆発力のある杉本天昇選手、コンボガードの川嶋勇人選手を獲得し、オフェンス力は高まりそうだ。
ウィングのアーロン・ヘンリー選手はディフェンシブな選手であり、複数のポジションを守れる砂土原選手と共にディフェンスの中核として活躍しそうだ。
琉球ゴールデンキングス
昨季のチャンピオンシップ覇者である琉球ゴールデンキングス。
その主力選手をほとんどキープしたことだけでも、勝者と言っていいだろう。
今季は千葉からオールラウンダーのヴィック・ロー選手を獲得。
ジョシュ・ダンカン選手が退団したため、インサイドのフィジカルは弱くなったが、戦術多用性は増えるはずだ。
唯一の懸念点はアジア特別枠で獲得したカール・タマヨ選手のポジションか。
昨季はチームのフィットせず大きな見せ場がなくシーズンが終わったタマヨ選手を如何にチームの戦術に組み込ませるか。
これが出来れば、チャンピオンシップ2連覇も見えてくる。
敗者
川崎ブレイブサンダース
昨季中地区1位だった川崎だが、勝率は一昨年の勝率.764から勝率.667へと下がっている。
チームの大黒柱であるニック・ファジーカス選手は、38歳で来季を迎える。
オフェンス面では依然リーグ屈指の実力者だが、ディフェンス面でのマイナスは年々大きくなっている印象だ。
ニック・ファジーカス選手の周りにはディフェンシブなプレイヤーを置きたいが、今季獲得したのはウィングのトーマス・ウィンブッシュ選手と同じくウィング寄りのビッグマンであるロスコ・アレン選手。
インサイドの層が薄く、ファジーカス選手の補佐を期待するのはきびしそうだ。
信州ブレイブウォリアーズ
今オフ最大の戦力ダウンをしているチームが、信州ブレイブウォリアーズだ。
今オフ信州は、熊谷航選手、岡田侑大選手、前田怜緒選手というチームの核だった3選手がそれぞれ退団。
ハンドラー、スコアラー、ウィングディフェンダーとそれぞれ重要な役目を担っていた選手だけに、彼らの退団は大きな痛手。
アジア特別枠でKBL新⼈賞を受賞したロン・ジェイ・アバリエントス選⼿を獲得し、熊谷選手に代わるハンドラーは獲得したが、名将マイケル勝久HCはこのロースターで残留できるのか。
厳しいシーズンになるのは必須だが、B1残留を何とか勝ち取りたい。
佐賀バルーナーズ
B1昇格1年目となる佐賀バルーナーズだが、昇格1年目は厳しいシーズンとなりそうだ。
特に厳しい点がインサイド陣だろう。
チームのエースであるPGのレイナルド・ガルシア選手に外国籍を1枠使っているため、インサイドに置ける外国籍は1枠だ。
日本人ビッグマンである満原選手は3ポイントシュートを打てる良いビッグマンだが、B1の外国籍ビッグマン相手だとこのマッチアップは厳しいと言わざるを得ない。
編成的に帰化ビッグマンが欲しい布陣だが、今後の補強で改善されるだろうか。
富山グラウジーズ
昨季、滋賀・新潟との三つ巴を制し、B1残留を決めた富山グラウジーズ。
15勝45敗(勝率.250)だった昨季から勝ち星を増やしたいが、オフの目玉の獲得はゼロ。
米山ジャバ偉生選手や高橋耕陽選手などウィングの層の厚みを増したこと、将来席のある喜志永選手、上田選手、米山選手など集めたことは評価できるが、若手中心のロースターでB1残留できるかはギャンブルだ。
千葉ジェッツ
オフシーズンの敗者としているが、千葉ジェッツは来季も間違いなくコンテンダー(優勝争いのチーム)だ。
富樫選手と原選手、金近選手がいるチームが弱いはずがない。
とは言え、リーグ最多勝利数・最高勝率をマークした昨季ほどのモンスタークラブでないのも事実である。
帰化選手ではギャビン・エドワーズ選手が退団し、代わりにアイラ・ブラウン選手を獲得。
致命傷は避けたが、戦力はややダウンしただろう。
オールラウンダーのヴィック・ロー選手が退団しことも痛いが、代わりにインサイドに強い選手を獲得できれば昨季にはない強みを作れそうだ。
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