杉本天昇選手がキャリアハイとなる27得点!新潟が島根に快勝し、開幕戦を飾る!
RECAP
ベールを脱いだ新外国籍選手、ケヴェ・アルマ選手
今季、新潟が新たに獲得した外国籍選手であるケヴェ・アルマ選手。
その実力は如何ほどかと注目して見ていたが、「圧巻」の一言だった。
ケヴェ・アルマ選手は、バージニア工科大学出身の23歳。
大学を卒業したばかりのルーキーだ。
大学時代にはアメリカの大西洋側に所属する大学のベストプレイヤーをたたえるALL-ACC。
かつてはドノバン・ミッチェルやザイオン・ウィリアムソンも受けたこの賞に、2年連続で2ndチームに選ばれている実力者だ。
206cm107kgのビッグマンの最大の魅力は、そのサイズと長いウィングスパンを活かしたリムプロテクト能力だ。
昨日の島根戦でも3ブロックをマーク。
PnRで局所的に2対1の状況になっても、1人で守り切れるディフェンス能力の高さは特筆すべき点である。
スタッツを見ていくと、16得点・11リバウンド・7アシスト・3ブロック。もらったファールは両チーム最多の7つで、貢献度を現すEFFは断トツの42。
マッチアップしていたトラビス選手のFG試投数をわずか7本に抑えてたのも、目を見張る。
昨日の試合の間違いなくMVPである。
脚力・ハンドリング力も高く、今後更にオールラウンドぷりを見せてくれるかもしれない。
キャリアハイをマークした杉本天昇選手
ベールを脱ぐと言えば、杉本天昇選手もベールを脱いだ選手と言えるだろう。
土浦日大時代には、ウィンターカップ決勝で八村塁選手率いてる明成高校と対戦。
松脇圭志選手(琉球)と共に、その図抜けた3ポイントシュートで、王者明成高校を最後まで苦しめたのは記憶に新しい。
その後日大に進み、順調にステップアップしていたが、大学4年時に左ひざ前十字靭帯を断裂。
全治9か月という大怪我を負い、復帰した昨年もわずか18試合の出場にとどまった。
群馬から新潟に移籍した今季。
そこにはエースとして、チームを牽引する杉本選手の姿があった。
2Q10点近いビハインドを自身の得点でつなぎ止め、3Qでは相手を引き離すロングスリー。
チームディフェンスによる恩恵もあるが、相手チームのエースであるビュフォード選手を必死に守った。
27得点・7リバウンド・2アシストは素晴らしい新チームデビューである。
島根の課題とは
昨日の試合の島根の課題は何だったのだろうか。
苦しい時間、ディフェンスで粘れなかったことも要因の一つではあると思う。
しかし、今回は73得点しかマークできなかったオフェンスについて語りたいと思う。
島根のオフェンスは、大きく分けて2通りある。
安藤誓哉選手・津山選手から始まるPnRとビュフォード選手のアイソレーションだ。
新潟はこの2つの島根の攻撃にこれという回答をぶつけてきた。
安藤選手のPnRに対して
安藤選手・津山選手のPnRに対して、新潟が用意した回答はアイスである。
アイスとは、相手のボールマンを凍らせる(ice)という意味で、スクリーナーのディフェンスとボールマンのディフェンスでボールマンをじわじわと挟み込んでいく戦略である。
優秀なPnRボールハンドラーである安藤選手のケアと、ビッグマンのケア両方できる作戦となっている。
万能に見える手法だが、これはケヴェ・アルマ選手が突出したリムプロテクターだから成せるわざだ。
局所的とは言え、2対1の状況を守り切れるアルマ選手がいたからこそ成り立つ作戦と言えるだろう。
では、このアイスに島根はどの攻略すればいいのだろうか。
私はPnP(ピック&ポップ)が有効だと考える。
作戦上、アルマ選手はゴール下に下がり気味に守らざるを得ない。ポップアウトには手薄になる。
昨日の試合、トラビス選手の3ポイント成功率は0%(0/3)だったが、入るまでこれを打ち続けるしかない。
リバウンダーがいないため、デッドロー(ゴール下)に一人ビッグマンを立たせるのが良いだろう。
ビュフォード選手のアイソレーションに対して
ビュフォード選手のアイソレーションに対して新潟が用意したディフェンスは、パックラインディフェンスだ。
3ポイントラインより内側に守り、2線のディフェンスもディナイではなく、ヘルプポジションで守ることで、ビュフォード選手の一対一で使えるスペースを狭めている。
パックラインディフェンスは、アイソレーションにめちゃくちゃ強い一方、アウトサイドシュートを捨てている作戦である。
下のショットチャートは昨日の島根の試合のものだが、コーナー、ウィングで多くはずしているのがよくわかる。
特にシュート効率の良いとされるコーナースリー。
ここを外していてはお話にならない。
スリーを決めずして、新潟のパックラインディフェンス攻略はないだろう。
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