トヨタ産業技術記念館とは
愛知県名古屋市にあるトヨタ産業技術記念館に行ってきました。
トヨタ産業技術記念館は、トヨタグループの共同事業としてグループ発祥の地である旧豊田紡織株式会社本社工場跡に設立されています。
豊田自動織機の自動織物機
トヨタ自動車の起源である、豊田自動織機の自動織物機が展示してありました。織物とは糸を縦と横に交互に折り合わせて作る生地のことです。縦横に組み合わせるため、編物に比べて固い生地ができます。
逆に編物は、編み物は糸で結び目を作っていくので収縮性がある生地ができます。ニットやセーター、タオルなどは編物なので、収縮性があり柔らかいですよね。
糸の種類
織物機で折るための糸も展示してありました。色々な種類があるんですね。名前はどこかで聞いたことがあっても中身はよく知らない糸が多かったので、少しだけご紹介します。
ポリエステル
服の生地としてよく使われるポリエステル。ポリエステルの誕生は1941年。意外と歴史が古いんですね!
イギリスのICI社が絹の性質に近いポリエステル系合成繊維の工業化に成功しました。原料は石油です。
レーヨン
レーヨンは、もしかしたら馴染みがないかもしれないです。私も仕事柄、最近知りました。
このレーヨンが、人類が作った最初の化学繊維です。フランスのシャルドンネが硝酸繊維素から作った人造絹糸です。
大麻
こないだスノボの国母選手が所持して捕まった大麻です。糸の材料にもなるんですね。日本での生地の糸としての歴史は古く、縄文時代の遺跡からもその繊維が出土しているみたいです。
1950年代の紡績機械
下の画像は1950年代の紡績機械です。紡績機械は、原料の繊維から糸の状態にする機械です。紡績機械で出来た糸を自動織機で生地にするんですね。
こういう大きい機械が70年以上前には出来ていたことに感動します。
トヨタ自動車の始まり
自動織機や自動紡績機の展示してある繊維機械館を抜けると、自動車館があります。トヨタ自動車は豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)の自動車部から始まりました。
博物館の中に当時の工場が再現されていました。この見せ方が素晴らしいですよね。
展示ブースの案内図なのですが、これもまたおしゃれでした。博物館でもあり、アーティスティックさも感じさせます。
ここら辺の展示ブースは魅せ方として素晴らしかったです。平日の午後に行って、人が少なかったのでその点も良かったです。
完成した試作ボディーの復元。
トヨタ自動車の販売網を築いた神谷正太郎
神谷正太郎。この方はマジで凄いです。トヨタ自動車系ディーラーの礎を一代で築き上げた人物です。
トヨタ自動車に入るまでの経歴もすごくて、三井物産に入社して1910年代からロンドンやシアトルで駐在員として働き、退職後ロンドンで起業。
起業した会社の経営が傾き、廃業すると日本に帰国し、GM(ゼネラルモーターズ)の日本法人でNo.2まで上り詰めます。
まず1910年代で海外に行っているのがすごいです。三井物産は当時から「公館(大使館・領事館)無けれど物産あり」と言われるほど、日本の組織としていち早く海外の辺境地域へ進出していた会社なので、海外に行っているのも頷けますが。
その後、自動車生産に乗り出した豊田自動織機に入社。
神谷は全国各地の有力な地場資本に働きかけ、豊田の車両販売代理店への契約に奔走し、結果、全国に販売網を作り出すことに成功します。
この方がいなかったら、トヨタ自動車の販売網は今のようになっていなかったかもしれませんね。
トヨタ産業技術記念館、面白かったので、名古屋に行かれたときはぜひ足を運ばれることをおすすめします!
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