OPS+で2019シーズンを振り返る

はじめに

早いものでもう2019年も残すところ2か月になりました。2020年になる前に!(笑)2019年をOPS+で振り返りましょう。

ちなみにこの記事は、昨年に書いた「OPS+で2018シーズンを振り返る」の2019年版です。

OPS+で2018シーズンを振り返る

2018年10月26日

OPS+って何

まずOPS+って何かについてから書いていきます。

OPS+とは、簡単に言うとある打者がどのくらい得点力があるかを100を基準に表したものです。

100がリーグ平均なので、100以上だとリーグ平均より得点力があることになります。逆に100以下だと、その打者の得点力はリーグ平均以下ということになります。

メジャーリーグの中継を見ていると、OPSの隣に表示されることもあります。

このOPS+の良い点は3つあります。


1つ目が球場による打撃成績の影響を考慮している点です。

例えば、ナゴヤドームの打者。かわいそうですよね。球場広いうえに、フェンスが高い。これじゃあ、良い成績を残すのが難しいです。

逆に神宮球場は狭いし、フェンスも高くないので、ホームランがバンバン出ますよね。だから打撃成績が良くなるんです。

こういった球場による不均一をパークファクターの補正をかけることで平準化するんですね。これで条件を統一して、選手を評価できるわけです。


2つ目が計算がしやすい点。計算式は以下の通りです。

OPS+=100×(出塁率÷リーグ出塁率+長打率÷リーグ長打率-1)÷パークファクター補正

オタクでも計算できる簡単な計算式です。これがwRC+との大きな違いですね。

wRC+はなぜ流行らないのか

2019年10月14日

3つ目が評価しやすい点です。

OPS+の平均値は100です。例えばOPS+が150の打者がいたら、リーグ平均の1.5倍の得点力をもった選手ということが簡単にわかるんです。


てなわけで、2019年の打者を振り返りましょう!


セリーグ

セリーグ1位は鈴木誠也選手で187、2位は中日のビシエド選手で178、3位はヤクルトの山田哲人選手で162でした。

逆にワースト3位は阪神の近本選手で98、ワースト2位が京田選手で78、ワースト1位がDeNAの大和選手で66でした。

98でワースト3位に入るので、規定打席に到達している選手はやっぱりレベルが高いですね。

#選手球団打率出塁率長打率OPSOPS+
1鈴木 誠也C0.3350.4530.5651.018187
2D・ビシエドD0.3150.3740.4960.87178
3山田 哲人S0.2710.4010.560.961162
4坂本 勇人G0.3120.3960.5750.971154
5筒香 嘉智DB0.2720.3880.5110.899150
6W・バレンティンS0.280.3630.5540.917149
7N・ソトDB0.2690.3480.5540.902149
8糸井 嘉男T0.3140.4030.4160.819138
9會澤 翼C0.2770.3870.4390.826133
10丸 佳浩G0.2920.3880.4950.884133
11青木 宣親S0.2970.3850.4420.826128
12高橋 周平D0.2930.3450.430.776125
13村上 宗隆S0.2310.3320.4810.814122
14大島 洋平D0.3120.3760.380.756121
15岡本 和真G0.2650.3430.4850.828118
16西川 龍馬C0.2970.3360.4410.777118
17宮﨑 敏郎DB0.2840.3340.4430.777116
18阿部 寿樹D0.2910.3370.4050.742115
19中村 悠平S0.2690.3730.3840.757110
20J・ロペスDB0.2410.2950.4610.756109
21亀井 善行G0.2840.3460.440.786109
22梅野 隆太郎T0.2660.3260.3930.718107
23大山 悠輔T0.2580.3120.4010.714104
24菊池 涼介C0.2610.3130.4060.719102
25神里 和毅DB0.2790.3230.4070.731101
26糸原 健斗T0.2670.3530.3360.689100
27雄平S0.2730.3270.3960.723100
28近本 光司T0.2710.3130.3750.68998
29京田 陽太D0.2490.3020.3140.61578
30大和DB0.2370.30.2850.58566

下の表は2018年と2019年のOPS+を比べたものです。(ちなみに参考値として2017年のOPS+も載せています)

何と言っても鈴木誠也選手。過去3年間の安定感が凄いです。2017年1位、2018年2位、2019年1位ですから。抜群の得点力の高さですね

山田哲人選手は昨年からまたOPS+を上げて、3位にランクアップしました。ここら辺はさすがですよね。

昨年の1位の丸選手が今年は結構OPS+の値を下げたんですよね。それでもトップ10に入っているので、すごいんですが。それまで2年連続で鈴木誠也選手とワンツーフィニッシュしていただけに、この下落は気になりますね。

パリーグ

続いてパリーグに移ります。1位はオリックスの吉田正尚選手で170、2位は楽天のブラッシュ選手で167、3位は西武の森友哉選手の160でした。

反対にワースト3位は西武の源田選手で85、ワースト2位は内川選手も81、ワースト1位は西武の金子選手で71でした。

西武ってOPS+のトップ10に4選手ランクインしているのですが、ワースト5にも3人入っているんですよね。

得点をとる役割とそうではない選手がはっきりしているのでしょうか。

パリーグ全然見ていないので分からないのですが、内川選手がワースト3位に入っているのは時の流れを感じますねえ。

#選手球団打率出塁率長打率OPSOPS+
1吉田 正尚B0.3220.4130.5430.956170
2J・ブラッシュE0.2610.3970.540.936167
3森 友哉L0.3290.4130.5470.959160
4浅村 栄斗E0.2630.3720.5070.878150
5山川 穂高L0.2560.3720.540.912146
6中村 剛也L0.2860.3590.5280.887140
7荻野 貴司M0.3150.3710.470.842137
8秋山 翔吾L0.3030.3920.4710.864135
9A・デスパイネH0.2590.3550.520.875134
10鈴木 大地M0.2880.3730.4540.826134
11近藤 健介F0.3020.4220.40.822133
12井上 晴哉M0.2520.3620.4620.824132
13外崎 修汰L0.2740.3530.4930.846129
14B・レアードM0.2480.3330.4830.815129
15島内 宏明E0.2870.3720.4070.779124
16茂木 栄五郎E0.2820.3580.4210.779123
17西川 遥輝F0.2880.3930.3850.779120
18中田 翔F0.2420.3290.4490.778117
19銀次E0.3040.370.3820.752116
20大田 泰示F0.2890.3250.4510.776116
21松田 宣浩H0.260.3050.4830.788111
22Z・ウィーラーE0.2430.320.4180.738110
23渡邉 諒F0.2620.3330.3850.718101
24甲斐 拓也H0.260.3460.3870.73399
25中村 奨吾M0.2320.3170.3750.69295
26栗山 巧L0.2520.3330.3550.68789
27福田 周平B0.250.3420.3090.65186
28源田 壮亮L0.2740.3240.350.67485
29内川 聖一H0.2560.2960.370.66681
30金子 侑司L0.2510.3240.2920.61671

2年連続でパリーグのOPS+首位だった柳田選手が怪我で長期離脱だった今シーズン。群雄割拠のパリーグ打者の中で、OPS+が1位だったのは前年2位だった吉田正尚選手でした。

おめでとうございます!

こう見ると森選手や浅村選手、山川選手、中村剛也選手、秋山選手と西武(元西武)の選手の活躍が目立ちますね

ただ秋山選手は2年連続でOPS+が下がっているのは気になります(2017年:158、2018年:144、2019年:135)

衰えなんですかね。

意外といったら失礼なのですが、ロッテの荻野選手と鈴木選手のランクアップは驚きました。ホームランテラスの効果があったのでしょうか。

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