島根スサノオマジックの経営状況はどうなっているのか気になったので調べました。
昨年の12月に2016-17年シーズンの「B.LEAGUEクラブ決算概要」が公表されました。まずはこちらを見ていきます。
2016-17年シーズンの島根スサノオマジックの決算は、負債の総額が資産の総額を超える債務超過になっています。平たく言うと赤字ということになります。内訳について見ていきます。
営業収入3億円は2016-17年シーズンのB2の中ではトップの収入でした。B1クラブはほとんど4億円を超えており、トップクラブだと10億円を超えています。ここら辺が島根とB1、そしてトップクラブとの現状の差だと思います。
営業費用もB2の中で一番お金を使ったクラブになります。トップチーム人件費もB2で一番お金を使っていましたし、かなり頑張ったと思います。当期純利益は6000万円の赤字となっています。
さて島根スサノオマジックが債務超過、赤字であるという事実を踏まえた上で、クラブがどのような取り組みをしているか見てきます。毎日新聞に島根スサノオマジックの龍岩正憲社長のインタビューが載っていました。
◆球団の課題は何か。
興業収入が足りていないこと。今はスポンサーとチケットによる収入が柱で7、8割を占める。この安定化が鍵。赤字の会社だが、単年だけでも黒字化を目指す。昨季は3億円の売り上げだったが今季は4億9千万円が目標。(中略)
◆球団経営の目標は。
長期目標は山陰地方の球団としての安定化。スポンサーの裾野を広げていきたい。松江、米子には浸透してきていると思うが、県西部にも広げたい。プレーオフで浜田や隠岐、バスケ教室でも県西部を回った。スポーツ観戦という新たな文化を浸透させたい。理想は広島カープ。「昨日のあのプレーは」と日常会話に溶け込んで、県民の日々のやる気の糧になってほしい。
毎日新聞「B1昇格で黒字目指す スサノオ・龍岩社長に聞く /島根」より引用。赤字は引用者によるもの。
当然ながら黒字化を目指しているわけですが、そのためにもスポンサーとチケット収入の安定化が軸と考えているみたいです。今後のビジョンとしては、広島カープのような地域に密着したフランチャイズクラブとしての構想があるようです。
私自身、広島カープの大ファンなのですが、広島県と広島カープのような関係性は理想的だと思います。島根県はエンターテイメント施設が少ないですし、B.LEAGUEのクラブがその役割を担ってくれると、島根県も明るくなると思います。
最後に島根スサノオマジックの取締役会長の尾崎俊也さんのTwitterからです。尾崎さんは1年前まで島根スサノオマジックの社長だった方ですね。やはり5,000席の確保計画と債務超過解消計画が大きなポイントになるみたいです。
これは昨年の3月2日の記事でB1クラブライセンス取得が決まったという内容。
あれからそろそろ1年。今回も当クラブは様々な課題がある中で、特に5,000席の確保計画と債務超過解消計画が大きなポイントになっています。
チームも厳しい戦いを続けていますが、クラブも経営改善という戦いを続けています。 pic.twitter.com/tfkHWEW6AP— 尾崎俊也@島根スサノオマジック (@osakitoshiya) 2018年2月18日
組織の方向性、判断基準(=バリュー)を決めることはとても重要なことだと思います。ドラッガーも、トップマネジメントにはミッション(=使命)、ビジョン(=将来像)、バリュー(=価値観)の確立が必要だと言っています。島根スサノオマジックにはこの3つがしっかりあるように感じます。
昨日の全体会議では、久しぶりに社員の前で熱く話しました。社長を引退してから、全体の会議で私が話すことはしていなかったのですが。組織は明確な方向性や組織が向かう先にある高い理想や意義が必要だと思うので、そういうことを会長であり株主でもある私が伝えるべきだと考えました。
— 尾崎俊也@島根スサノオマジック (@osakitoshiya) 2018年2月16日
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