広島~2018シーズン未来予想図~

2017年、連覇を果たした広島東洋カープ。前年度の主力は全員球団に残り、今年も優勝を狙える体制にある。広島王朝はどこまで続くのだろうか。

2017年シーズン

打撃成績

打撃成績はwRC+を使って見ていきます。wRC+とは、weighted Runs Created plus の略であり、打撃での得点貢献を平均基準で指数化したものです。うん、難しいですね… 簡単に言うと、どのくらい打者が点を取れるか+球場ごとの差を重み付けすることでなくす、という2つのことをした指標です。これで球場関係なく評価することができます。

下の<表1>はそのwRC+をポジションごとに分けて、平均100・標準偏差10となるように規格した偏差値です。だってwRC+はすべてのポジションの選手が標準化されるので、打撃力が低いセンターラインの選手が.不利ですもん.. (関連記事「センターラインに求められる打力とは」)

ややこしいので、下の<表1>では緑色のポジションは他の11球団の同ポジションの選手と比べて打っていることだけ知ってもらえれば良いです!赤色は逆です。

<表1>

三塁手以外は、全部緑色ですね。去年の野手陣がいかに充実していたかを表しています。

守備成績

UZRとは、ultimate zone ratingの略であり、守備全般での貢献を表す指標です。UZRを算出している会社は、映像を見て打球を種類・速度・位置ごとに分類して出しているらしいです。具体的なことは私も知りません。下の<表2>は広島カープのUZRをポジションごとに分けたものです。先ほどのwRC+と同様に緑色のポジションは他球団より良くて、赤色になるにつれ劣っていることを表しています。

<表2>

二塁手の守備での貢献はそこまで高くなかったようです。菊池涼介の膝の具合は気になりますね。劣化している可能性もありますから。遊撃手もわずかですがマイナスです。三塁手と中堅手はプラスですね。丸佳浩は打撃・守備での貢献度が高い選手のようです。

投球成績

投球成績について見てみましょう。カープの投球成績は下の<表3>です。防御率は3.39でリーグ3位でした。救援防御率とQS率(6回以上投げて自責点が3点以内)はリーグ2位と良かったです。ただ全体的に見てリーグの中間くらいの成績だなという感想です。投手に関しては、リーグで一番良かったというわけではないです。与四球数の多さはチームの課題ですね。

<表3>

新加入・退団

新加入

レオネル・カンポス(31) RHP  188cm97kg

長身から投げ下ろすフォーム。スライダーが持ち味。詳しくは「広島カープがレオネル・カンポス投手と契約」の記事で。

退団

梵英心(3B)

ペーニャ(3B) 22試合 打率.216  2打点

ブレイシア(RHP) 26試合 2勝1敗 防御率3.00

へ―ゲンズ(RHP) 11試合 防御率6.00

2018シーズン予想

ポジション 選手名
捕手 會澤翼(30)/磯村嘉孝(26)
一塁手 エルドレッド(38)
二塁手 菊池涼介(28)
三塁手 安部友裕(29)/西川龍馬(24)
遊撃手 田中広輔(29)
左翼手 バディスタ(26)/松山竜平(33)
中堅手 丸佳浩(29)
右翼手 鈴木誠也(24)

センターラインは今年も田中・菊池・丸で開幕しそうです。右翼手は順当なら鈴木誠也が守ると思いますが、足の怪我がどこまで回復しているか気になります。仮に怪我の回復に長引いたら、松山か野間が入るのではないかと予想されます。今年のカープの見どころは、一塁手です。エルドレッドや新井もキャリア晩年を迎えていますし、ポストエルドレッドは誰になるのか注目しています。私は安部になるのではないかなと予想しています。また野手の新戦力として、美間の1軍での活躍を期待したいです。

ローテーション ジョンソン(34)
ローテーション 野村祐輔(29)
ローテーション 薮田和樹(26)
ローテーション 岡田明丈(25)
ローテーション 大瀬良大地(27)
ローテーション 高橋昂也(20)
リリーフ 今村猛(27)
リリーフ ジャクソン(31)
リリーフ 一岡竜司(27)
リリーフ 中田廉(28)
クローザー 中崎翔太(26)

2018年のローテーションの柱はジョンソン・野村・薮田の3人です。残りの3枠を岡田や大瀬良・九里・中村祐太・高橋昂也らが争う形になりそうです。リリーフは長年活躍している投手が多いです。経年疲労が気になります。特に今村や中崎は昨年球速が落ちているので心配です。リリーフは新戦力が必要になっている状況ですね。

ROSTER

下の<表4>は広島カープの所属する選手のFA所得年度(予想)を表しています。今年から続々と主力選手がFA権を所得していきます。2018年から向こう3年間のFA権を所得する予定の選手を並べてみます。

2018年 丸佳浩(OF)、松山竜平(OF)

2019年 K.ジョンソン(SP)、野村祐輔(SP)、菊池涼介(2B)、會澤翼(C)

2020年 田中広輔(SS)、福井優也(SP)

センターラインの選手が続々FA権を所得しますね。2019年はスターターが一気に2人もFA権を所得します。資金力が少ない広島は、誰にお金をかけ・誰にお金をかけないかペイロールが大事になってきます。ここは今年の注目点ですね。

<表4>

広島東洋カープのプロスペクト

高橋昂也(20) LHP  投打/左左 181cm87kg

2016年ドラフト2位。140後半の力のあるストレートが一番の特長です。またフォークやスライダーなどの変化球の完成度も高いです。ぎりぎりまで接地しないため、打者には腕が遅れてくるように見えるはずです。課題は制球力です。

坂倉将吾(20) C   投打/右左 176cm82kg

2016年ドラフト4位。去年は高卒1年目ながらウエスタンリーグで規定到達者中2位の打率を残しています。トップの作り方や右肩が開かない等、その打撃技術は高卒離れしていました。強肩でキャッチングも上手いですが、パスボールが多くブロッキングに課題があります。

中村奨成(19) C 投打/右右 181cm78kg

2017年ドラフト1位。強肩で長打力が売りで、足も速いです。将来はポスト丸佳浩でしょうか。「中村奨成のメカニクスの進化」にも記事を書いています。

美間優槻(24) 3B  投打/右右 170cm90kg

2012年ドラフト5位。ファーム通算31本塁打の長打力と強肩が売りの三塁手。守備も上手く、2018年広島カープの期待株です。

塹江敦哉(21) LHP 投打/左左 178cm78kg

2014年ドラフト3位。平均140中盤のストレートを投げるサウスポー。制球が悪くまたウイニングショット(決め球)がなかったことからファームの防御率は悪いです。しかし秋キャンプではキレのあるスライダーとフォークを投げていたので、プロスペクト5人目で紹介します。

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