スポーツビジネスとヤジの関係性
関心の輪と影響の輪
スティーブン・R・コヴィー氏のベストセラー『7つの習慣』の中に、「関心の輪/影響の輪」という話がある。
恋愛、健康、家族、職場の人間関係。
誰でもさまざまな関心事を持っている。好きなスポーツクラブの順位なども関心事の一つと言って良いだろう。
コヴィー氏は、下の図1のように、自分が関心を持っていることを「関心の輪」の中に入れ、関心を持っていないことと分けてみようと著書で説いている。
すると、「関心の輪」の中に自分がコントロールできるものと、コントロールできないものに分かれていることに気づくはずだ。
自分がコントロールできるもの、影響を与えることができるものを「影響の輪」とコヴィー氏はこの著書で名付けている(図2)。
コヴィー氏は「関心の輪」と「影響の輪」を名付けた後、主体的な人は「影響の輪」の物事にコミットしていると展開している。
つまり、主体的な人は自分が影響を及ぼせる物事に集中しているのですな。
反対に、人のせいにしたり、被害者意識が強かったり、反応的な人は影響の輪の外、自分にはどうしようもない出来事に関心を向けるとコヴィー氏は述べている。
こうした事柄ばかりに意識を集中していると、人のせいにする態度、反応的な言葉、被害者意識が強くなっていく。自分が影響を及ぼせる物事をおろそかにしてしまうと、ネガティブなエネルギーな増え、その結果、影響の輪は小さくなっていく。
『完訳 7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著 キングベアー出版
上の引用の通り、影響の輪の外にばかり関心を向けるとネガティブなエネルギーが増えるとコヴィー氏は語っている。
スポーツビジネスにとって野次を言うファンは必要悪である
前置きが長くなったが、本題の「スポーツビジネスとヤジの関係性」について入っていこう。
プロ野球やJリーグ、Bリーグのクラブを応援しているファンにとって、そのクラブは自身の「影響の輪」の中にあるか、外にあるか。どちらだろうか。
もちろん例外はあるだろうが、多くのファンにとってそのクラブは「影響の輪」の外にあるだろう。
「影響の輪」の外にあることにばかり関心がある人はどうなるか。
前述の引用の通り、コヴィー氏は「人のせいにする態度、反応的な言葉、被害者意識が強くなっていく 」と述べている。
反応的な言葉。野次もこれに含まれますな。
球団運営目線で見ると、影響の輪の外に関心のある人。これがファン(お客)のペルソナなのですな。
そう、つまりスポーツビジネスは元から反応的な言葉(野次など)を言ってしまう因子を持った人を相手にしている商売なのである。
そのため、スポーツビジネスにとって野次を言うファンは必要悪と言えるのだ。
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