Bリーグは何故ドラフト制ではないのか
「Bリーグはなんでドラフト制度ではないんだろう?」って考えたことありませんか?
Bリーグは、NBAやプロ野球みたいに新人選手をドラフト制度でリクルートするのではなく、各チームが自由に新人選手を獲得します。
この違いって何だと思いますか?
実はBリーグとNBAやプロ野球は、リーグのガバナンスが違います。もっと簡単に言うと、リーグの統治方法がBリーグとNBAやプロ野球が異なるのです。
Bリーグのリーグの統治方法を、開放型モデル。NBAやプロ野球のリーグの統治方法を、閉鎖型モデルと言います。
鈴木友也氏は、雑誌『Slugger』でリーグガバナンスについて、以下のように書かれています。
プロスポーツリーグのがバンス=組織統治は、欧州サッカーリーグのように優勝劣敗の思想を基本に球団に自由に競争させる「開放型モデル」と、米国メジャースポーツのように戦力均衡を是として、さまざまな規制を設ける「閉鎖型モデル」に大別できる。開放型モデルでは、複数のリーグが重層的に組織され、昇降格制度を伴う弱肉強食のリーグ戦が展開される。一方、閉鎖型モデルでは、自リーグ以外の組織とは連携せず、常に同じメンバーでリーグ戦を展開するため、格差拡大を抑制するメカニズムが用意される。
『Slugger3月号』2017年3月「新労使協定でMLBはどう変わる?」 鈴木友也 太字は引用者より
上の記事を読むと、B1、B2、B3と複数のリーグが重層的に組織されて、各リーグで入替戦があるBリーグは開放型モデルであることが分かります。
開放型モデルの基本理念は、優勝劣敗です。優れているチームはどんどん上に上がっていくし、弱いチームはどんどん下がっていきます。
一方、プロ野球は全12球団、NBAは全30球団で常に同じメンバーでリーグ戦を展開していることから閉鎖型モデルであることが分かります。
閉鎖型モデルの理念は、戦力均衡です。 常に同じメンバーでリーグ戦を展開するため、格差拡大を抑制するメカニズムが用意されています。
では、問題がドラフト制度はどちらのリーグ統治のシステムかということです。
答えはもう分かりますね。ドラフト制度は、閉鎖型モデルのシステムなのです。
もう少し、この話を深堀りしていきます。
閉鎖型モデルのリーグは、各球団が戦力均衡になるように大きく分けると2つに規制をかけています。
その2つ規制が 「選手の流動性」と「球団の資金力」 です。
選手の流動性では、新人獲得制度としてドラフト制度、中途採用制度としてはFA制度を設けて、選手の獲得を管理しています。
そうドラフト制度は、戦力を均衡するために選手の流動性を規制するためのシステムなんですね。
ちなみに、球団の資金力に対する規制はサラリーキャップ制度や収益分配制度などがあります。
まとめると、開放型モデルのBリーグが、閉鎖型モデルのシステムであるドラフト制度を採り入れることが出来ないというわけなのです。
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