NPBとJリーグのガバナンスの違い~開放型モデルと閉鎖型モデル~

NPBとJリーグのガバナンスの違い

いきなりですが、問題です。

下の①、②は国内外のプロスポーツリーグをある共通点で分けられているのですが、その共通点とは何でしょうか。

①プロ野球、メジャーリーグ(MLB)、NBA、NFL。

②Jリーグ、Bリーグ、ブンデスリーガ、セリエA。

ちょっと考えてみてください。

では、正解を言います。正解は、リーグ統治のガバナンスです。リーグ統治の体制で①と②は分けられています。

プロ野球とJリーグ。日本でもメジャーなプロスポーツリーグの二大巨頭ですが、この2つは全く別のリーグ統治のガバナンスで運営されています。

プロ野球型のリーグ統治のガバナンスを「閉鎖型モデル」、Jリーグ型のリーグ統治のガバナンスを「開放型モデル」と言います。

今回は、「開放型モデル」と「閉鎖型モデル」の違いについて、紹介していきます。


開放型モデル

開放型モデルは、球団に自由競争をさせる統治モデル

項目特徴
導入リーグJリーグ、Bリーグ、欧州サッカーリーグ(ブンデスリーガ、セリエAなど)
リーグ構造複数のリーグが重層的に組織されている(昇降格制度あり)
新人獲得制度自由獲得
中途採用自由獲得

Jリーグや欧州サッカーリーグのような開放型モデルのリーグ統治では、球団に自由に競争させ、優れた球団が昇っていき、劣っている球団はどんどん落ちていく統治モデルになっています。

そのため開放型モデルでは、複数のリーグが重層的に組織され、昇降格制度を設けています。


閉鎖型モデル

閉鎖型モデルは、戦力均衡を良しとする統治モデル

項目特徴
導入リーグNPB、MLB、NBAなど
リーグ構造同一リーグ(同一チーム)
新人獲得制度ドラフト制度
中途採用FA制度

プロ野球(NPB)やメジャーリーグのような閉鎖型モデルでは、各チームの戦力が均衡するように、様々な規制をかけて管理しています。

では実際、戦力が均衡するようにどのようなところに規制をしているのでしょうか。

大きく分けると「選手の流動性」と「球団の資金力」の2つに規制をかけて、管理しています。

まず選手の流動性では、新人獲得制度としてドラフト制度、中途採用制度としてはFA制度を設けて、選手の獲得を管理しています

例えばプロ野球では良い新人選手が特定の球団に偏りすぎないように、ドラフト制度を使って規制しています。

また資金力がない球団が、良い選手の保有権をある程度の期間持てるようにFA制度があります。

次に、球団の資金力の規制です。これはMLBやNBA、NFLが取り入れている規制で、プロ野球にはない規制です。

球団の資金力の規制としては、球団収入の格差を是正する収益分配制度と選手獲得予算を均等化するサラリーキャップ制度があります。

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